R18 BL short story(BL小説/エロ小説)
手錠で拘束して固定6


こんな事があっても、たまには楽しい事もある。
ここは快楽を求めにくるはずの場所なのに、ただ僕に会いに来る人もいる。
初めて会った時には変な人と思っていたけれど、何度も僕を指名してくれるうちに、その人に会うのが楽しみになっていた。

『誠也君…今日はなんだか嬉しそうだね。いい事でもあった?』
『うん…』

お客様の膝の上に横向きに座り、僕の髪を撫でながら聞いてくる。
そのお客様はお客という感じをさせない。

僕の友達…。
ううん、それ以上かもしれない。
恋人のような感じ。

優しく、温かく。
僕を包んでくれるような感じだった。


僕はお客様に答えるのが恥ずかしくて、顔を赤くしながら俯いてしまった。
お客様は勘違いしたのか、申し訳なさそうな口調で話してくる。

『嫌だったらいいんだ。僕は誠也君が嬉しそうな顔をしているのが気になっただけだから』
『違うんです…嫌とかじゃないんです。お客様が僕を指名してくれたから、嬉しくて…』

自分で本当のことを話しておきながら、顔から火が出ているんじゃないかと思うくらいに真っ赤にしてしまっている。
それに、お客様の顔がまともに見れない。
目を逸らすとお客様の体にしがみついてしまった。



どうしよう…
変に思われているかもしれない。
でも顔を上げる事が出来ない。



嫌われてしまって、僕以外の子を指名したとしたら哀しい。
そんなことで頭の中がいっぱいだった。

少し経つと頭上からお客様のクスクスと笑う声が聴こえて来る。
バカにされたのかな?
今の僕にはプラスの方向に考える事が出来ない。
全てマイナスになってしまう。

それでもずっと俯いたままでいる訳にもいかない。
思い切って顔を上げると…

お客様の顔はバカにした様子でもなければ
呆れた様な様子でもない


いつものあの優しいお客様だった。

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あきゅろす。
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