R18 BL short story(BL小説/エロ小説)
肉体に感じる快楽4


最初はただの脅しからだった。
女をナンパでもしてホテルへしけ込もうと繁華街を歩いていたとき、ある一つのラブホから一組のカップルが出てきた。
最初に出てきたのは男。身形もリーマン風って感じ。俺には劣るがイイ男系だ。
その後に出てくる女はどうなんだろう…?そんな興味本位で見ていたら…。
俺は自分の目を疑った。変なクスリでも飲んで幻影でも見たのか?とさえも思った。


その男の後ろから出てきたのは――同じ営業の小田課長だったから。


小田は少し周囲を見回しながら出口から出てくる。
先を歩いていた男は後ろを振り返って小田の方へと近付いていくと、腰に腕を回し脇の薄暗い道へと入っていった。
別段、小田も嫌だというアクションを起こさずに…。


ナンパをして女とヤることなんかすっかり忘れて、その二人が入っていった薄暗いわき道へ歩み寄った。
建物の影に隠れてそっと覗き込むと、そこにはまた俺の定規では測ることの出来ない光景が飛び込んでくる。


小田と男が…互いの腰に腕を絡めてディープしていた。


聞こえてくるのは二人の呼吸と、舌の絡まりあう音。
二人は俺が見ていることに気が付きもせず、何度も角度を変えながら互いの口腔を貪っていた。
普段、無口で大人しそうな小田が実はゲイで男とホテルに行くなんて誰が知るんだろう。しかも出てきたらわき道とは言え、道端でディープ。
暫くの間、夢中になって二人を見つめていた。


二人がそこから消えると我に返ったけど、ナンパなんか忘れてしまった。
小田たちの光景が目に焼き付いて離れない。普段とのギャップが余計にそれを掻きたてて。


でも……。
俺と同期なのにあっちはキャリアだから課長で俺はノンキャリアだから副主任。
仕事では向こうが俺の事を主従させているんだ。
プライベートくらい俺があいつを従わせてもいいだろう…。

変な嫉妬心が心の奥で広がり、体中に滲み込んで行くのを感じた。

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あきゅろす。
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