R18 BL short story(BL小説/エロ小説)
熱を帯びる1


「それじゃ男子は細川君に決定ということで」

委員長の言葉が僕の頭にズシンと重く圧し掛かってきた。

最悪だ……。


文化祭で何か出し物を決めなくてはいけない。
でも、何をするか?
となったら意見がなかなか出てこなかった。
俺は関係ないやと思い、隣の席の坂本と話しをしていた。

でも、それがそもそもの間違いだった。
『女子と男子一人ずつ決めて、男子は女装、女子は男装をするのは?』
なんて意見が出てきた。
皆、面白そうに話していてそれに決定。
俺なんかも『いいんじゃない』って話半分で聞いていた。
その俺が言った『いいんじゃない』と言うのは、いつの間にか俺が女装をする事に賛成になっていて……。

それを聴いた瞬間、俺は慌てて拒否したけれど聞き入れてもらえず。
女子なんかは『細川君顔立ちが綺麗だから似合うわよ』なんてほざいている。
男子は男子で『いいじゃねえ、細川がやれよ』って言ってくる。
皆、自分じゃないから気軽に言いやがって。

女子は身長が175cmもある、神崎に決まった。
デカイから即決定ってやつみたいだ。
俺は170cmあるくらい。
身長のバランスもちょうどイイと、先生を始め、皆が楽しそうに言っていた。



当日、どうやって言い訳をして休もうか。
ずる休み?
バッくれる??
どれも、非難を浴びるものしか浮かばない。
なんかこう、皆が納得するような理由はないかと探してみたが…。




――文化祭当日。
結局、イイ理由なんて浮かんでこなかった。
しかもご丁寧なことに、坂本の奴が家に迎えに来てる。これじゃ、逃げられる訳がない。
ブツブツとブーたれながら学校へ行った。


教室へ入ってみると、もう着る服が用意されている。
しかも、スリットの深いチャイナ服。いくら女装って言ったからって、これってありなのか?!
それに俺は男だからスネ毛だって生えている。


「おい、こんなもの着れるかよ。足はどーすんだよ足は??」

制服のズボンの裾をあげ、足を見せる。もしかしたらこれが理由で俺じゃなくなるかもしれない。
でも……。相手も俺の上を行き、T字の剃刀とベビーローションを持ってくる。

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あきゅろす。
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