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終わるんだと直感
「今日祐希んち行っていい?」
俺たちはサークルも入ってないしバイトもしてないから、家に行っていいかどうか聞くのは社交辞令みたいなモンで断る事も断られる事もなかった。
しかし
「あー…ごめん、ちょっと用あるからしばらく無理だわ。ホントごめんな〜」
一瞬何を言われたのか理解できないくらい衝撃的だった。
「あ…そうなんだ。じゃあ俺んちくる?」
心が、気持ちがざわめく。頼む…"うん"って言え…
「用あるんだって。無理だから…」
冷たくはないが、しかしキッパリと断られた。
その衝撃はあまりに大きく、俺は慌てて
「そっか。そうだな。悪い、俺もー帰るわ。」と言い
「え?」と驚く祐希を後目にさっさとしたくを終え足早に去る。
ちょっと涙目だった。
祐希の前ではクールな感じでいたい、自然とそう思っていた。
家に帰りベッドに突っ伏してずっと、ずっと祐希の事を考えていた。
俺…嫌われた…?
別れたいのかな…
てかそもそも付き合ってんのかな…
俺ら……
でも普通女の子の方がいいよな…
祐希だって男なんだから挿れたいだろうし…
…祐希……祐希………
そして祐希の名前を呼びながら、眠りにおちた。
次の日から祐希を避けた。
別れを告げられるのが怖くて、距離をおきメールも電話も無視した。
そして何日か経ちふと気付いた。
これじゃあ別れたのと同じじゃないか。
何やってんだ俺…
でもずっと避けていたのに突然普通に接する事ができる訳もなく、避け続けていると、祐希からメールが届いた。
それまで『どうした?』とか『俺何かした?』とかだった祐希のメールが『明日の10時マックで待ってる』と変わった。
もう終わるんだと直感した。
とりあえず『分かった。』と久々の返信をして、祐希を失ったら俺どうしようと考え始める。
悩みに悩んで寝ずに翌日の10時を迎える。
店に入ると祐希の背中を見つけ深く深呼吸をする。
落ち着け俺…
近付くにつれ心臓がうるさくなる。
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