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―――ある調停者と、夢を見すぎた「運命」の会話。





終焉遁走曲






―――まだ私に逆らうのか、哀れな我が子よ

「ボクは止めなきゃいけないんだ、お前を、全ての憎しみの輪廻を」

―――私はお前を、世界を作った「運命」だ。それに逆らうつもりか?

「ああ。生憎、運命に流されるのは好きじゃないんだ」

――――何…?

「何処かの誰かが言ってた、運命は縛るものじゃないって。ただただボクらを導いて、困った時の道しるべになるもの。だけどお前は違う」

――――戯言を。ならば私がいなかったらお前はどうなる?何度も言うが、私はお前でお前は私なのだ!

「お前がボク?笑わせないでくれ。ボクが大切な人達を傷つけて喜ぶとでも?お前こそ戯言を言うなよ」

―――愚かな、人の子の分際で…!

「わからないだろうね、お前には。人間の気持ち」

―――……!!

「お前は夢を見すぎたプログラム、だろう?人間を導くはずだったのに、いつしか凍てついた炎に魅入られて、自分の野望のためだけに動く…」

―――…黙れ……

「プロメテウスを消して、ボクの身体を手に入れて。…結局どうしたいんだ?世界を支配したい、新たな種の誕生を望む。その考えがある限り、お前は人間を導けない!」

―――黙れ!!

「…どうしちゃったんだ。人間を愛していたフェイトは何処へいったんだ?何が原因でお前は、」

―――私はお前を愛している…!だからこそ、お前を手に入れてめちゃくちゃにしてやりたくなる…!

「………。
機械には理解出来ない複雑な感情、か。誰かが言ってた、別次元にもお前と同じ夢を見た「母」がいたと。愛故の狂気ほど相手を傷つけるものはないのかもしれないのに」

―――私は「運命」…凍てついた炎を手に入れて、新たな種を生み出すのだ…!

「……やっぱり無理、か。これもまた運命なら…仕方ないのかな」

―――何を言っている!命が惜しかったら跪け!許しを乞え!!さもなくば、貴様も、この小娘も…、

「その娘には指一本触れさせない!…もう、やるしかないか…」

―――面白い…「運命」に逆らった事、存分に後悔させてやる…!!

「………ゴメン、キッド。ボクが巻き込んだんだね…」







とある会話。
「運命」になれなかったプログラムと、
宿命の鎖を腕に巻いた調停者の、

最期の会話。

‥END‥
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あきゅろす。
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