日常から非日常へ

突然やって来た出逢いは嵐のように、あたし達の心をかき乱して、雨のように、静かに降り注ぐ。











7月の猛暑の中、だるい学校からの帰り道。傾いた太陽はいつものように空を赤く染めあげている。


そんな帰り道は、いつもと変わらなくて、本当に普通。普通すぎてつまらないくらい普通の世の中。


事件はいつも関係のないところで起こっていて、それに退屈しながらも毎日笑って過ごしている。


「今日、お寿司食べた―い!」


「うん、じゃあ、ハンバーグね」


空が叫んだ言葉をスルーして勝手に決める。これも、日常的で普通の会話。


「なんで!?」


「手間かかるから?」


「出前とればいいじゃん!」


「お金かけないの。それに、待つのめんどくさい」


「えー」


えーじゃないっての。たくっ。作るの私なんだからね。横で不貞腐れる空を横目にため息をひとつ。


「また今度ね。アイスでも買って帰ろ?」


「やったー!さっすが風!」


その変わり身の早さに呆れつつ、気付かれないようにもう一度ため息をつく。


これも、日常。


でも、こんな平和な日常が一変してしまうなんて思ってもみなかった。




***

太陽が真上を通り過ぎる中、2人は今、目的地に行くさいに偶然に、ぐ・う・ぜ・ん・に出会ってしまった。


目的地が同じだから仕方ないのだが、この2人はいわゆる犬猿の仲のようであり、ライバルのようなもので、会えば片方は罵声を飛ばし、片方はそれを笑い飛ばすのだ。


今日も同じで偶然に出会ったにもかかわらず、毎回と変わらず道には罵声と笑い声が響いていた。


目的地につくと、この家に来た目的の人物、沢田綱吉こと、ツナが迎え入れた。


「ごめん、先にリビングに行ってて!俺の部屋、チビたちが占領してるから…」


「ったく、あいつら!俺が果たしましょうか!」


「い、いいから!じゃあ、先に行っててね!」


招き入れられて、リビングへ向かう。今日は、高校で出された課題をやりに来たのだ。


「おう!行くぞ獄寺。ほら、花火しまえよ」


「花火じゃねえ!」


怒鳴る獄寺をなだめつつ山本がリビングのドアを開けた。


開けた瞬間、固まった山本に眉間にしわを寄せる獄寺。


「おい、何やって―…」


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