おやすみオフィーリア(ユフィ+ルル+スザク) さて眠る時間が来たよ、おやすみオフィーリア。 あとのことは忘れて、どうか安らかに。 →おやすみオフィーリア 彼女は彼が好きだった。しかし彼女は彼の所為で狂気に陥った。 彼女の死を受けて、彼は嘆き悲しんだ。 もう一人の彼のことを、彼は好いていた。けれどもそのもう一人は彼女のことを大切に思っていたので、彼女を死に追いやった彼を憎んだ。 たぶん死んだ彼女はただ純粋に彼のことが好きだっただけで、 彼を恨みはしなかったしむしろ並び立ち守ろうとしていたのだけど、 残された者にしてみれば彼女を奪われた痛みばかりが先に立って、 おそろしいことに、彼女自身の意志すら既に遠いものになってしまっているのだった。 ところで物語が進むうち、最後の一人はようやく自分が 絡め取られた陰謀に気付くのだ。 その彼はもともと義を重んじる性質だったので、 一度見透かせばすぐ悟る。自分が利用されたことに。 憎しみに駆られて言われるがままに進む駒は、さぞ扱いやすかったことだろう。 そういう訳だが簡単に割り切れる筈もなく、 最後の最後に来て初めて、もう一人は同じく毒に倒れた彼に呼びかけるのだ。 自分の息も途切れる直前に。そうでもしないととても言えない、 嗚呼、人間の張る意地とはかくも頑ななものか。 * 「仲直りしよう、ルルーシュ、」 苦しい息の下からスザクは呼びかけた。 蹲るようにしてスザクは床に倒れている。目と鼻の先にいるルルーシュも似たようなものだ。 もうその場にはゼロも白の騎士もなくて、ただ死にかけている二つの人間が地べたに転がっているだけだった。 やっと言えた、と今までで一番明るい表情で笑うスザクに、ルルーシュは泣きたくなった。 「僕たち二人とも、罪が許されますよう」 end. → |