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キスしないと出られない部屋/土方
[キスしないと出られない部屋]




土方「ハァァァァ?何なのコレ?どゆことコレ?」


『この扉…ちょっとやそっとの衝撃じゃ破壊も出来なそうですよ…天人の仕業ですかね』


土方「ケッ…悪趣味なこった」


『どっちにしろ…提示された条件をクリアしないと…出られないのかな』


土方「…まぁ 緊急事態だな、聚楽…こっち向け」


『へ?』


土方「へ?じゃねーよ、おまえだってとっとと出たいだろ、こんな所」


『あ、あの…心の準備が』


土方「ああ?安心しろよ 取って食いやしねーから、ガキなんかとするキスの一つや二つ、何とも思わねーから」


『…あら カッチーン』


『アンタが何れ程の手練れかは知らないけど、そのコトに関して子供扱いされる云われは無いけど?クサレ副長』


土方「あ?言うじゃねーか じゃーおまえは俺を楽しませられる位のキスができるってのか?あーん?」


『はんっ 私がオンナ日照りのクサレ副長ごときに本気を出すなんてチャンチャラ可笑しくて』


土方「ほぉ…?だったら見せて貰おうじゃねーか?その大人のキスってのを」


『はぁ?なんで私があんたにそんなキスなんか…』


土方「そこまで大口叩けるなら出し惜しみしてる場合じゃないよね、今こそ披露すべき時だろ てゆーかこの俺にそんなクチ訊いて只で済むと思ってないよねぇ。思ってないよねぇェェ?」


『うっさい…』



ガキで…悪かったなぁ



『あんたなんか コレで充分だぁぁぁ!』



その腕にしがみ付き
チュー

と、

頬っぺたに唇を押し付ければ

間もなく ガコン、と重い機械音が響いた



『あ、土方さん、開いたよ 扉』


土方「んなっ」


『ほら、とっとと仕事に戻って下さいな、副長』


土方「…」


先に扉に向かおうと身体を返す
と、
腕を掴まれ 壁に凭せかけられた

これは………壁ドン体勢である


『扉 開いたってば』


土方「覚えてやがれ」


言い放つと 土方さんはその唇を少し開き、私の唇に重ねた


『む…んむッ…!?』


ぴちゃ
ちゅる


甘い水音が脳髄まで響く


ちゅく
ぴちゅ


離れた唇に唾液の纏わり

いきなりの出来事に 何も出来ない
ただ フリーズしていると


土方「今日はこれくらいで勘弁してやる」


そう睨み、口元を拭いもしない彼に
私は目が逸らせずにいる


土方「今度はおまえのキスって奴を味わわせてくれよ」


涼しい瞳の奥に 鈍色の熱を灯して


土方「俺を楽しませられるんだろ?」


私の唇を奪って先に部屋を出て行った


『…もう、開いたってば…扉………って…キ、キスされちゃっ…』


なんて負けず嫌いなんだろ…ガキはどっち?バラガキ…

売り言葉に買い言葉、素直になれないから きっと二人共……


遅れて頬が燃えた
彼に見られなかったのがせめてもの救い


『てゆーか…今度は、って…今度も…あるの?』


end



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