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☆クラシカロイドの小説(短編)2
運命の?/シュー
先程から…私の小指と 田歌殿の小指に、糸が繋がっている(確信)…

何だ?これは?何なのだ?


不可思議なことに 家事をしていても、買い物へ行っても邪魔にはならない

物質を通り抜け、長さも自由自在らしい

もう1つよく分からないことに、私にしか見えていない様子だ

館の皆にも、 田歌殿 本人にも見えてはいない…


…誰かのムジークなのか?
効果の程がよく解らないが…


効果…小指…糸…

そう言えば、以前 大家殿が見ていたドラマに[赤い糸の伝説]というのがあったな

運命の男女が結ばれるラブストーリーだった…


いや、しかし 私と 田歌殿を繋いでいるこの糸は 白い…よなぁ?






赤く…染まるのか?
放って置けば?
いつ?どうやって?
何をすれば?

赤い糸になれば…どうなる?
繋がっている私と彼女を…………まさか運命の恋人に……?


試す価値は…あるか…
この不思議な小指の糸を…
どうやって染める?

赤く……


━━━
━━



シュー「 田歌殿 」


『はい?…って、わぁ!凄い!』


シュー「庭で採れた野菜と、近所の方に分けて頂いた果物です!田歌殿 どれでもお好きなものを如何ですか?
洗って来ましたし、今なら選び放題ですよ♪」


『わぁぁ!美味しそうなプチトマト!じゃ、お言葉に甘えて…』


シュー「どうぞどうぞ」


『………もぐ……んー♪美味しい!!』


シュー「それは良かった!」


『これ、シューさんが丹精込めて育てたトマトですよね…ふふふ…だからかな、凄く美味しい』


シュー「……田歌殿…」ジーン


『ほら、シューさんも♪食べてみて…はい、あーん』


シュー「あ、あーん…」


無邪気に私の口に、一粒のトマトを入れてくれる
彼女の顔が近くなると 大きく胸が鳴った

屈託の無い愛らしい仕草に 頬も熱くなる…


その刹那、私達 二人を繋いだ糸が みるみる色付いたのだ

日の光を浴びて輝いたトマトの様な、輝く赤い色の糸を見た

しかし 暫くすると やや薄い色に変化して 安定した様だ


口内のトマトを飲み込み 視線を併せ 笑い合えば、小指の糸がまた少し 輝いた気がした


そうか…この糸が染まるには…田歌と私の心が通う事…?

想い合う事で、きっと 赤い糸は成長していくのだろう

田歌殿…
野菜も果実も この恋も育み、実らせることができますでしょうか…

太陽に向かって色付く、鮮やかな恵みの赤


私に…
許されるならどうか、勇気と 女神の微笑みを下さいませ…


end


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あきゅろす。
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