☆クラシカロイドの小説(短編)2
コスプレと疑問/バッハ
バッハ「………その格好は?」
『えっと…リストさんとトンキホーケで安かったから買っちゃって…お見せしてみたくて…えへへ、どうでしょう?』
バッハ「…だ…」
『え?』
バッハ「綺麗だ…田歌……」
『あ、ありがとうございます…!!………え、えっと、なんか クリスマスとかハロウィンにも使えるって言ってましたよ。私のはチャイナドレスって言うんです(な、何か嬉しいけど恥ずかしいかも)』
バッハ「ほう…その髪型も衣装に合わせ、クリスマスやハロウィンに披露するのかね?」
『折角だから、披露も…ふふふ、したいですね♪中国の民族衣装なんですよ♪』
バッハ「ふむ…それは些か…困るな…」
『え?困る…??』
バッハ「…私以外の男性の目に、触れさせたくは無いものだ…」
『バッハさん?』
バッハ「君は…男の視線を見くびっている…」
『え…??』
バッハ「…例え、リストやチャイコフスキーの前だとしても……」
『あ、あの もしかして、似合いませんか…??』
バッハ「そ、そうではなくて…」
『じゃ、似合ってますか?』
バッハ「…ああ……目のやり場に困る程には、な…」
『良かった!!嬉しいな、ありがとうございます♪』
バッハ「う、む…(全く意に介してないな…)」
『そういえば、さっきリストさんが言ってたんですが[口吸い]って、何の事か分かりますか?』
バッハ「……口吸い…??」
『ええ、語感からして 何かを 口で吸うのかなーって…花の蜜とか?』
バッハ「…口吸…花…」
『バッハさん?』
バッハ「…私にとっての[花]は[君]だ」
『バッハさ…ん?』
彼の大きな手が 不意に私の髪を撫でた
バッハ「(その蜜を 吸い…困らせてしまおうか?田歌……君は、全く…)」
『へ…?ど、どうしたん…で…』
彼は何も言わず、私も何も言えず
流れる時間の隙間をスローモーションで見た彼の表情で埋めて
ときめきに戸惑う間もなく、その唇の感触に私の虹彩が震えた
バッハ「」
━ちゅ━
私のこめかみに降りて来た 微かな息遣いと 柔らかさ
『………!!』
バッハ「……」
いつものように 読めない視線
だけど いつもと違う 眉尻の動き
どうしよう…
頬が熱に満ちていく
額も 頭も 熱くなっていく
リストさんに言われた通りにしてみたのにな
変なの…
どうしよう…
━━━
リスト「ふふふぅ…コレよコレ…流石やるじゃない、バッハ…(ドキドキ)」じぃー
end
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