☆クラシカロイドの小説(短編)2
運命の?/ベト
先程から……俺の小指と歌う小娘の小指に、糸が繋がっている…
何だ?これは?何か…意味があるのか?
料理をしても掃除をしても、邪魔にはならない
他の物体をすり抜ける様だ
そして 不可思議なことに、多分俺にしか見えていない…
他者にも、歌う小娘本人にも…
本当に…何だ?何なのだ…誰かのムジーク、か?
しかし 効果が不明だ…
いや…待てよ
そう言えば、以前 小娘が見ていたドラマに[赤い糸の伝説]なるものがあったな
運命の男女が結ばれるラブストーリー…
いや、しかし 今俺と歌う小娘を繋いでいるこの糸は 白い…ぞ?
…
…
…
いつかは赤く…染まるのだろうか?
俺と 歌う小娘を、運命が繋いで、離さない日が…来るのだろうか…?
…
…
…
赤く…薔薇の様に 染まる日が…
む、薔薇…
薔薇、か…
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ベト「歌う小娘」
『はい?どうしました?』
ベト「………これを、お前に…」
『へ?ば、薔薇の…お花?』
ベト「薔薇だ」
『あ、ありがとうございます…』
その時 彼女の頬が赤く染まった
愛らしい眸は泳ぎ、困った様な笑顔で
同時に、俺達二人を繋いだ糸は 仄かに色付いた
それは 一瞬だが とても情熱的な赤い色…
少し色味が落ち着いたところを見ると、この糸を真紅に染め上がるのは まだまだ時間が掛かりそうだが、
運命が俺と 田歌を追って
くるのなら…
楽しめそうだ
覚悟しろ、歌う小娘よ
end
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