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銀魂(沖田)/私達の糖度/暴力注意(流血)/店長
リク要素
・公園
・甘酸っぱいやり取り
・ケンカ


[私達の糖度]


━━━━━

今日は気分を変えて あまり人の居ない方の公園で 彼と待ち合わせていたのだ

私服の着流し、涼しい目元に胸をときめかせ 彼の座るベンチの隣に急ぐ


『お、おまたせ』


総悟「待たされました。俺の貴重な5秒 返しな」


『その5秒間 私を待ちわびてドキドキ出来たんだからむしろ 私にお礼として金払えって』


総悟「やなこった」


『もう…お菓子作ってきたけど あげないよ?』


総悟「偶然とてつもなく腹ペコなんでぃ。ゴミでも良いから食ってやらぁ」


『ゴミ扱いするなら 私の腹に捨てるわ。クソウゴ』


総悟「よこせ」シュッ


『あっ テメ』


総悟「ひょいパク」


『返せよ、ゴミなんでしょ?』


総悟「これは…(姉ちゃんが作ってくれてた…思い出の…)うまい」


『あっそ…』


総悟「(覚えてたのか…)」

「へっ でももう1味なんか欲しい所だな…」


『結局文句言うもんな』


総悟「文句言われるほーが悪い」


『…』


総悟「…」


次の瞬間には 互いの拳が互いを穿っていた


『ぐ…』


総悟「ちっ…」



拳打の応酬だった

二人は譲らず 拳を突き合う

頭、顔、身体、腕、たまに脚
擦り切れる肌から血が流れ
顔面にヒットした拳のせいで鼻血も流れる


もう ただの殴り合いで 負けず嫌いの二人の怒りが激突する



「その能力がないと何もできねぇくせに
出直してこい」


『この能力を買われてるんだよバカサド!おまえこそシスコンだろこらぁ』


「何だとブス」


「文句あんのかブサイク」


一頻り 悪口雑言 罵詈讒謗が飛び交った後 また拳が舞う


口の中を、端を切り
額、頬を殴打され
髪を掴み合う

先程まで仲睦まじかった様子はどこへやら…

およそ 恋人たちの愛の囁き合い、じゃれ合いとは程遠い 体術を競い 憎悪すら感じる張りつめた空気だった


通行人が足を止めてざわめく

「止めた方が良いんじゃないか?」
「痴話喧嘩…じゃないよな…?」
「大丈夫か?」
「何だ あの動き」
「警察呼んだ方が…」


そんな人々を尻目に 私達は止まらない

だが ふと昔にあった出来事を思して言葉がホロリと溢れる



『でも美味しいって言ってくれたときもあったじゃん』


総悟「そんときは旨かったし」


『何よ…ほんとは…美味しいんじゃない?天の邪鬼なの?』


総悟「……俺が…そんなに…旨そうにオマエの作ったモンを…食ってたことがあったか…?」


『あった』


総悟「見間違いじゃねぇの?」


『見間違えてない。そっちこそ隠す気、無いじゃん』


総悟「はっ……せいぜい、精進しなせぇ」


『したでしょ』


総悟「腕を上げたな」


『切り替え早っ!!てか、それは、料理の腕?どつき合いについて?』


総悟「どれだと思う?」


『…教えなさいよ』


総悟「てめぇで気付きな」


『…………キスしてくれたらね…んぶ!』


言い終わらない内に塞がれた唇

切れた口内でお互いの血の味が混ざる
彼の青アザをなぞり
私の打ち身を撫でられて


こんな歪な形の恋心に きっと二人して戸惑いながら
血の味を、腫れた肌の熱さを
肉の裂け目の質感を確かめながら 更に深みに嵌まっていく


end

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あきゅろす。
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