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☆クラシカ口イドの小説(長編)
親睦の唇(逆ハ,シュー落)
いつもの日常とは少し違う今日
なかなか捕まらなかった彼に やっと頼み事を
できる


シュー「…………は?」

『もっかい言いますよ、
私のムジークセッションの力を引き出す為にはムジークの使い手達と親睦を広げる必要がある、と 音羽博士が言いましたので…』

シュー「……それで…キスを?」

『はい』


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ベトの場合
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ベト「は!?キキキキキキキスだと!?」

『どこでもいいので、ご協力願えませんか?』

ベト「破廉恥な!どどどどどどどこでも良いなどと!そ、そんな淫らな…」

『…め、めんどくさ…』ボソ

ベト「嗚呼…性に乱れたこの島国で若者の明日を俺はどう示してやれば」ぶつぶつ

『そーれ』


ベトさんの右手をガッシリ両手でホールドした私は素早く 其処に唇を落とす

咄嗟にしたので小指の付け根にチュッと


固まっているベトさんを見据えて 小指に口付けたまま、吐き捨てる


『キス文化の国 出身なのに 狼狽えないで下さいよ』


そして筋張った指先から 唇を離す


『意識しすぎると、歌苗さんが勘違いしちゃいますよ?』

ベト「んなっ!なっ?なっ…」

『拗れないように、お願いしますよ…ベトさん』

ベト「こっ、小娘は…かかか関係ないだろ…」

『…そうですか?ふふっ…ご協力ありがとうございました』


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その後、歌苗が夕食の支度の為に戸棚を開けると、頭を抱えたベートーベンが納まっていた

歌苗「何やってんの…?ベト」

ベト「うっうひゃあぁぁい!!お、俺はべつに疚しいことなど無くてだな!あのだな!その!」ビックウゥ

歌苗「いいからそこから出なさい!」ドカーン



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モツの場合
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モツ「キス?」

『あ、えと、手の甲とかでいいので…』


言い終わらないうちに、額の一点に柔らかな感触が熱を降らせた

『え…?』

モツ「フフフ、コレでいーい?」

おでこにチュー

この人の事だから、素早く唇でも奪われるかとも思ったのに

案外紳士的…いや、子供っぽい…?


モツ「子供っぽいって……思った?」

『へ!?』

モツ「 忍路は スキだらけだから、いつでも奪えるもん」

『なっ…』

思わず耳を赤くしてしまった私の口に 人差し指を充てる
その人差し指に モツさんはキスをした

モツ「ほら…ね?」

『ッッ…なっ』

モツ「今、二人のキスを遮ってるのは僕の人差し指だけだもん」


いつもより艶やかに、ニイッと口角が上がり 妖しく大きな目は笑った


モツ「容易いと 思わない?」


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リストの場合
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リスト「分かったわ!愛ね!愛が必要なのね!?」

『わわわ!リ、リストさぁん!?』


がっちりとその腕と豊満な胸にホールドされて、顔中に降り注ぐキスの嵐

唇は死守したものの、彼女のリップ痕(口紅だけど)に埋められてしまった

予想はしていたけど、思いの外力が強い…
体躯のあるダイナミックな女性だし、ピアノも弾くし、トレーニングもしてるのだ、敵わない…
かくして やっと腕の中から抜け出せた


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ショパンの場合
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ショパン「え?」

『お願いします!』

ショパン「そ、そーゆーのは…ちょっと僕、ムリかも…」

『そこをなんとか!!』

ショパン「えええぇぇぇ…」

『な!ん!と!か!』

ショパン「…うぅ…」

『どこでも良いので!』

ショパン「…どこでも…」

『はい!』

ショパン「じゃ、僕から触れるから……君はジッとしてて」

『はーい』


あまり他人にベタベタ触られたくはないのだろう
大人しくしていたら 観念したショパンさんは逃げないだろうし、雰囲気を確認してジッとする


彼はスッと、私の髪に触れた


『…?』

一房、髪をすくい上げて その長身を少し屈める

あ、何か良い匂い…ショパンさんの香水…?

少しドキッとしてしまった そのキスは
髪に唇を滑らせるものだった

頬やおでこに比べると、一見地味かも知れないが 髪にキスをするなんて、ドラマや映画の情事が絡んだワンシーンでばかり見る

そんな世間知らずの私にはとても色っぽいイメージだった


ショパン「…これで、どう…?」


厚い前髪の隙間から 私を窺うアンバーの瞳が 思考停止させ言葉を詰まらせる


彼は 私の素肌には触れたくなかったのだろうか、
だから髪の毛を選んだのだろうか

嫌われている訳ではない事は承知だ

素直な人だから 嫌いだったり怖かったりするなら奇声を発して逃げ隠れすると思うし


しかし、なんて優しく 髪を撫でてくれるのだろう
その眼から目を逸らせなくなりそうで足早に薄暗い部屋を出た


『あ、あ、ありがとうございました…』


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バッハの場合
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バッハ「キス…」

『ど、どこでも良いのでお願いできませんか?す、バッハさんがするのが苦手でしたら わ、私からしますがッッ…』

バッハ「……君から、私にキスをしてくれるのか?」

『あ、そ、それでも大丈夫です』

バッハ「……私からはいつでもする事ができる…しかし、君からのキスは貴重だ…」ぶつぶつ

『へ?今なんて…』

バッハ「君から、してくれないか」

『は…はい』


対峙 したは良いけど、背ぇ高すぎ…てゆーかドコにしよう…
なんか恥ずかしくなってきちゃった


『あ、あの、届かないから ちょっと屈んで…わっひゃあ!?』


屈めついで…と言った感じで 私を軽々と持ち上げてしまった
お姫様抱っこではなく、小さな子供を縦に抱くような体制

私がバッハさんを見下ろしている


バッハ「さぁ するが良い」

『は、はい』


これじゃ、手に軽くキスって感じでも無い…
顔?頭?いやいや、おでこ?


考えすぎてオーバーヒートしそうな荒熱のまま、バッハさんの頬っぺたにチュと、軽くした


『…』


何秒経過?

沈黙の間、彼の左手が私の頭を撫でる


さて 唇を放そうにも、その左手に頭が撫でられているし
落下防止のためにバッハさんにしがみついているし、何となく脱出不可能になった


『んんんっ』


バッハ「…すまない」


バッハさんの息がかかるような距離感にドキドキした時、頭部を押さえていた手はパッと離れた

私の唇も解放されたが、いつまでもバッハさんは抱えたまま降ろしてくれない


『あ、あの?』

バッハ「……」


その体制のまま、今度はバッハさんに引き寄せられ、彼は軽く 私の頬に口付け、フッと笑った


『わ、わ、えっ?』

バッハ「やはり私からする方が容易いな」


落ち着け私、彼は異国情緒溢れるハグとキスの国の出身!
他意は無い!深い意味は無い!


胸の音が早く早く、とても五月蝿いので また必死に己を律する


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あきゅろす。
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