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☆クラシカ口イドの小説(長編)
a fever(悪戯)

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『モツさんて、お酒 強いんですか?』


突然の質問に きょとんとしたけれど、何だか楽しくなっちゃって
「どうかなぁー」と答える


「一緒にお酒、飲んでみる?」


『へ?』


リスト「あら!良いわね!お酒の話!?」ズイッ


モツ「良いよね!!お酒の話だよ!リッちゃんは何が好きぃ?」


リスト「もちろんワインよぉ!モツもでしょ?」


モツ「僕はビールも好きだし、何でも飲むよぉ」


と、会話だけで酔える訳じゃないし 飲みに行く計画に 早変わり

リッちゃんは話が分かるなぁ


何事だろう?と、キョロキョロする忍路を尻目に 何処かに電話を掛けて、酒屋さんの予約までしてしまったみたい

良いね良いね
そういうの、大事だよね♪
楽しみは冷めないうちに行動に移す!
これは人生を楽しくする知恵だよ


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bar
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『わぁ…オトナな雰囲気の所ですねぇ!』


リスト「良いでしょー」


モツ「へぇ オシャレェー♪」


バッハ「好きなものを頼むといい」


モツ「お 今日はバッハ君のオゴリぃ?」


『モツさん、露骨ですよ…』


リスト「まぁまぁ、良いじゃないの。彼はリッチなんだからぁ」


少し気マズそうにしてる忍路
きっとバッハ君は気にも留めてないだろう

こうして 皆でテーブルを囲む事が好きなタイプだろうし、
普段集まらない面々だし、なんたって お酒の席だから。
お金を出してくれるからには、こちらも全力で楽しめばOKだよね!


忍路がバッハ君と 微笑みを交わして、リッちゃんとグラスを交わして、僕と音楽の話をする

白紙の五線譜で空を飛んでるみたい
ワクワクしてる。
お酒の熱気で新しい曲が沸き上がるみたい
楽しいね♪


リスト「あら、皆 良い飲みっぷり。ボトルが直ぐに空いちゃうわね!すみません、ワイン追加でー」


『……ねぇねぇモツさん、バッハさんとリストさん、カッコ良くないですか!?』コソッ


モツ「え?」


『並んでる二人共 なんか お似合いでステキで!ドキドキしちゃいますねぇ』キャー


モツ「まぁ、リッちゃんもバッハ君も お似合いの年齢設定だよねぇ」アハハ


『いや、そうじゃなくて 醸し出す雰囲気がカッコ良くてね?』


モツ「忍路は恋に恋してるのかなぁ?」


『え?そんなことないと思うけど』


モツ「忍路は、どんな人が好みなの?」


『えー……さ、さぁね?』


モツ「」ニコニコ


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ヒロイン目線
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そんな会話をしながら、私の隣でお酒を楽しむモツさん

彼はビールを飲んでる。
可愛い奇抜なファッションに身を包む彼に、あまりビールのイメージは無かったけど 史実でも愛飲していたらしいもんね。

そして、リストさんもバッハさんもワイン。

お酒のチョイスが 何かオトナって感じで、私は何をオーダーすれば良いのか分からなくなる

そうでなくても、私は お酒なんてそんなに詳しくないし。

だから 口当たりの優しい、ミルクベースのカクテルを飲んでしまうんだけど…


モツ「忍路は何を飲んでんの?」


『抹茶ミルクです』


モツ「えーっ!?マーッチャ!?マーッチャはカクテルが作れるの!?凄い!一口ちょうだい!」バッ


『え』ドキッ


私のグラスをパッと取って 二口、いや三口 飲んだ
うーん、と…間接キス…かな

彼は誰にでも気軽にするだろうし、深く考えちゃダメだよね

そう、誰にでも気軽に……
自分に言い聞かせるように繰り返すと
氷の海に、上着のままで飛び込んだみたいな冷ややかさが背筋に 静かに忍び寄る
スゥッと心が寂しくなった

だからといって、意識するのも ちょっと
変に期待するみたいで苦しくなる筈だから…
どうすれば良い?


モツ「んんんー!!美味しーい!!」パァッ


『それは、良かった…』カァァ


嗚呼
気にしないようにするの、無理…
こんな笑顔見せられたら尚更

こんなの、割りきれるくらい ズルく、しなやかになれる冷静さが欲しいな


リスト「あら?忍路ちゃん、顔が赤いわね。酔っ払っちゃった?」


『は、はいまぁ、ちょっとだけ』


リスト「ちょっとペースを落とす?お水でも貰う?ジュースにする?」


普段 お酒をあまり口にしない私を気遣ってくれるリストさんに、実はモツさんを意識しちゃって 耳まで赤くなっちゃいました━━なんて
言えない


バッハ「忍路は、何か食べるか?」


気を利かせてくれたバッハさんがメニューを見せてくれる


『あ…ありがとうございます』


メニューを読んでいると 目に止まったものがあった


『…[モーツァルト]??』


モツ「え?何何?」


『いや、モツさんの事じゃなくて、メニューにね[モーツァルト]ってあるんですよ』


リスト「あ、それはね ミルクを入れても美味しい、甘ーいお酒よ」


『へぇ 飲んでみようかな』


リスト「結構 [モーツァルト]って名前の付いたお酒はあるのよ?ワインもあるし…」


モツ「へぇー!さすが僕♪人気者じゃなーい♪」


そう、人気者…
どんな人にも好きになって貰える人

そんなモツさんを 好きになっちゃった… ………バカみたい
絶対 苦労しちゃうじゃん


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あきゅろす。
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