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☆クラシカ口イドの小説(長編)
お勉強騒動
『ベトさん、英語が話せるんですか?』


ベト「そんなに驚く事か…??」


パッド「日本は島国。ましてや鎖国をしていたので、昔は他国の言語を庶民が知ることの出来る機会がありませんでしたが、ベートーベンの居たドイツは 大きなヨーロッパ大陸にありましたからね。珍しい事ではありませんよ」


奏助「へー そうなんだー すげぇ」


『奏助さん、英語 教えて貰わなくていいんですか?ネイティブですよ?』


奏助「おお!ベトさん、教えてよ!!本場の英語って奴をさぁ」


パッド「奏助、一重に英語といっても 種類があるのですよ?奏助の学校で習っているのはアメリカ英語でしょう?」


『あ、そっか!ベトさんはイギリス英語派だって聞いたことがあります』


ベト「別に派閥という訳ではないが」


奏助「そうなんだー、じゃあ教えて貰ってもダメじゃん」


『いや、ダメって訳ではないんじゃ…』


奏助「だって、テストで使えないじゃーん」


ベト「使えな…」ピシッ


『つつつ使えないとかじゃなくて…もっとこう、学んでおくと人生の糧になりますよ?』わたわた


奏助「ん…待てよ、アメリカ英語だったら ラッパーのシューさんに教えて貰ったら良いんじゃね!?」


パッド「奏助、忍路さんの言う通り イギリス英語に触れるのも人生において 良い機会かも…」


奏助「いや、シューさんは教師経験あるし バッチリじゃん!!そうと決まれば善は急げ!バイバーイ!」タタタ


ベト「…」


『…』


ベト「歌う小娘」


『な、何ですか?』


ベト「英語を教えてやろうか?」


『…』


ベト「…」


『お、教えてくれるんですか?嬉しいなぁー(棒)』


━━━
━━



こんな問答を経て 何故か私はベトさんに英語を教えて貰うことになった

味わわなくて良い苦行って感じだなぁ
奏助さん、恨むよ…


━━━


ベト「How are you doing(調子はどうだ)?」


『I’m fine.(はい、元気です)』


ベト「Do you need a hand?(手伝おうか?)」


『あー…Oh…Thank you so much.(ほんとにありがとう。)』


ベト「日常の簡単なものならばもう少しだな」


『別の国の言葉って ちょっと緊張しちゃって…』


ベト「言葉は誰のモノでもない…緊張する必要は無いぞ」


『ちょっとカッコいいセリフですね』


ベト「ふふふ…そうか?」ドヤァ


褒めるとすぐ調子に乗るから、[ベトさんに勉強を教えて貰ってるから緊張しちゃってるんです]なんて事は、ちょっと言えない
だから さりげなく話題をずらす


『boxとかhotって、和製英語みたいな素直な発音で良いんですね』


ベト「アメリカ英語とは使われる単語や表現も少し違うからな…お前達にしてみれば面倒だろうな。」


『lovelyが[ラブレイ]って発音に聞こえますね』


ベト「まぁ覚えてしまえばどうという事もない」


『うーん、まぁ…lovely…ラブレイ…ラブレイ…ラブ…』


ベト「(ラブ…愛…)」ドキッ


ベト「こ、好感度を示す言葉は、分かるか?」


『どんなのですか?』


ベト「I like you.これは[私は、あなたが好き]という意味だ」


ベト「 I love you.これが、もうワンランク高い好感度の表現の仕方だ」


『えーっと、I like you.…Ludwig(ルードウィヒ)』


ベト「む…」ドキッ


『うーん…… I love you.…Ludwig…』おずおず


ベト「……………もう一度」


『え…(良いのかな?ちょっと躊躇したんだけど)I love you.…Ludwig』


ベト「…………」


『あの……ベトさん??』


ベト「い、いや じじじ実にナチュラルな発音で、お、驚いたのだ…もももももう少し聞きたい」


『えええ、まだ続けるんですか?……I love you.…Ludwig』


ベト「……………(とても妙な事をしているのは分かっているのだが)」


『I love you.…Ludwig』


ベト「(歌う小娘…忍路が口にする 俺の名前と愛の言葉は…耳触りが良いし、胸に響いて…クソッ なんなのだ…)」


『I love you.…Ludwig…ねぇ、もう止めませんか?』


ベト「も、もう少し!!」


『だって、な、何か恥ずかしいです…』


ベト「……………!!!」ドキッ


『こ、こんな…愛のコトバ…なんだか告白みたいで…その…』


ベト「…(照れ顔…忍路の、照れ顔…)」ドッドッドッドッ


『恥ずかしいし…こんな、お勉強で言わせなくても、ちゃんと ベトさんのことは想ってるから、言って欲しいなら言えって言って……って…わ、私 何言ってんだろう』ブツブツ


ベト「……………(忍路の 照れ顔…)」ドッドッドッドッ


『べ、ベトさん…い、今の 忘れて…!!』わたわた


ベト「…はっ!(しまった 聞いていなかった)な、なんだ…??」


『も、もう…(聞いてなかったみたい…嬉しいやら 残念なような)し、知らないです!』ぷいっ


ベト「す、すまん…」


『英語のお勉強はもう いいです!あ、ありがとうございました!』つかつか


ベト「そうだな、今日はこれで良いだろう」


『え?今日は………って言った?』


ベト「明日も教えてやる……有り難く俺のレッスンを受けろ」


『や、やだ!も、もう分かりましたから!いらないですからね!』パタパタ


ベト「いや、遠慮をするな!ちゃんと教えてやるから!」バタバタ


この日は どうかしていたのかも知れない。
結局 よく分からない事ばっかりやって、わたわたと騒いで…

あー でも
変な事言った さっきの私、忘れてくれるよね

忘れて下さい…


━━━


奏助「あれ 珍しい。ベトさんが忍路ちゃんを追いかけてる」


歌苗「こら ベトー!忍路 さんをいじめるんじゃないわよー!」


シュー「忍路殿…先輩に追いかけられるなんて、羨ましい!」キィッ


end

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