☆クラシカ口イドの小説(長編)
暴走の歌2
………彼女が ヘンな男に……
シュー「それはマズイ!!説得してきます!」
リスト「あー、はいはい もう好きになさい………あ、あと1つ!!」
シュー「はい!」ピタッ
リスト「モツは口説く気があってモーションかけに行くから可愛いモンだけど、
口説く気が無い女の子に困らせるような事、言っちゃダメよ?」
シュー「…………はい!」
リスト「行ってらっしゃい」ヒラヒラ
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急ぎ 私は忍路殿の部屋のドアを叩いた
シュー「忍路殿!!さっきはすみません!失礼しました!!話をしたいです!開けて下さい!」どんどん
『………なんなんですか…ほんとに』キィ
シュー「先程はちょっと暴走してしまい、申し訳ありません…」
『………入って下さい』
ドアを開けて 部屋へ導いてくれた
今度は 冷静に話をせねば…
シュー「あの…妙な事ばかり口走ってすみませんでした……
前に忍路殿が、チャイコ殿と自分を比べられていて 自分に自信がないのかと思うと、いてもたってもいられなくなり 勇気付けたいと思って…」
『ん…』
シュー「バッハ殿だけじゃなく、どんな男性にも怯まずにぶつかってみれば良い!貴方の心に宿る貴方の音は美しいんだ!と……お伝えしたくて……」
『……どうして シューさんはそんなに励ましてくれるんです?』
シュー「貴方に自信を持って欲しくて…
私はいつも忍路殿に たくさん 勇気や優しさを頂いてますから 貴方が悩んでいるときには 支えになりたくて…
こんなに音と音楽に溢れた世界で、貴方という 歌うミューズに出会えた…それだけには この世に生まれた事への感謝を確かにしていますから…!!」
『………また………そんな事ばっか言ってると、勘違いされちゃうよ……』ぼそっ
シュー「へ?」
『なんでもないです』
シュー「??」
『私が今からセリフを書くからさ
シューさんが 私の目を見て そのセリフを読み上げてくれたら、私も自信を持てるかも……暗示みたいなものだから。お願いします』
シュー「分かりました!!御安い御用です!」
少し待っていると、サラサラとペンを滑らせ 『はい、書けた』と
彼女は紙を差し出して来た
シュー「えー、読み上げますよ」
『はい』
シュー「[忍路は可愛い。忍路が欲しい。忍路がいとおしい。どうか、私だけの貴方になって。]…………!?!?」
シュー「あ…な、なんか…恋文のような…」
『そう思う??』
シュー「はい…」
『日本では こーゆーセリフは 好きなヒトにしか言っちゃいけないんだよ?』
シュー「は、はぃ…」
『なのに、シューさんてば 私を勇気づけてくれる為とはいえ、私に[チャイコちゃんより可愛い]とか、[私の好みだ]だなんて………
私だから良いようなものの、他の日本人女性に口走ったら、勘違いされちゃいますよ?』
シュー「………は、はぃぃ…」
そうか、忍路殿が怒っていた理由の一つはこれか
こんな、異性を口説くようなセリフ…
これではまるでモーツァルトではないか
ヤツの事を言えない…
リスト殿に先程言われた言葉を思い出して また唇を引き結ぶ
『シューさん』
シュー「はい?」
『私にとってはベトさんよりもシューさんのほうがカッコいい。』
シュー「ぬぁ!?」
『私にとってはモツさんよりもシューさんのほうがカッコいい。』
シュー「んんんん…!?」
『こんなこと、ずっと言われてたようなモンなんですよ?』
シュー「くぅ…………こ、これは………とても心臓が持ちそうにない………」
『…ったく…』
シュー「はぁ………はぁ………キュンキュン来る…胸が…動悸、息切れが……」ハァハァ
シュー「すいません………忍路殿の一挙一動で暴走してしまうなんて ダメですね、私は。」
『……一挙一動とか……それも受け取り方によっては勘違いワードなんだけどな…
…まぁ……解れば良いんです。これからは本当に想いを寄せる人にしか言っちゃダメですからね?』
シュー「…はい……」
シュー「ああっ、でも!!へんな男性には捕まらないで下さい…と、リスト殿が…言っておりましたよ!!自信もホドホドに………」
『リストさんはいいから、シューさん自身はどう思うの?』
シュー「ヘンな男性に………捕まらないで下さい…………」
『もー捕まってるよ………』ぼそっ
シュー「え?」
『なんでもないです』
シュー「………あの」
『どうしました?』
シュー「もう一回だけ、さっきのセリフを言ってもらえませんか?」ドキドキ
『え??ベ、ベトさんよりもシューさんのほうがカッコいい……』
シュー「ふぐぉぉぉぉぉ…」じたばた
『……シューさんがうらやましいです』
end
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