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☆クラシカ口イドの小説(長編)
暴走の歌(眼鏡が暴走、の続き)

忍路殿に 自信をつけてもらう
これはとても重要な課題だろう


彼女が 自分らしく、美しくいられるのならばそれは素晴らしいことだ
彼女の友人であり 家族である私としても 嬉しい限りだ

彼女も より良い方向に向かえるだろう


『チャイコちゃんのほうが可愛い』


そんな事を言っていたが、先ずは外見なのか?

しかし、チャイコ殿の外見を忍路殿と比較しても そこまでの違いを感じない…

顔の造作は勿論 違いがあるのだが、美醜の差…とでも形容するのだろうか

うーむ
芸能活動をしているか否かなのか?

彼女らの違い……
いや………髪や瞳の色の違い
それは個性の範疇ではないのか?

人間は無い物ねだりする生き物だから、隣の芝生は青く見えると、テレビで心理学者が言っていたな

女性は特にそうなのかも知れない…

では、忍路殿には [自分という存在こそが素晴らしい]と 気付かせてあげられたら良いのではないか……


ふぅむ、やってみよう


━━━
━━



シュー「おや、忍路殿 今日の装いは いつもと雰囲気が違いますね」


『あ シューさん。そうなんです、たまにはこんな色も良いかなーって』


シュー「(ここは自信をつけてもらうためにも、少し大袈裟褒めよう)」


シュー「そうですね。忍路殿の可憐さが引き立つ美しい色だと思います」


『へ……か、可憐??』ドキッ


シュー「ええ。普段は 今よりも優しげな印象ですが、今日は太陽に向かって咲く花のように明るさを感じさせてくれますが、風に揺れると か弱さを覚えるような 放っておけなさが可憐という……」


『あ、あの シューさん!?』


シュー「はい?」


『あ、あああの、ありがとうございます……でもこの服、そんなに良いモノでもなくて……』


シュー「装いは値段ではありませんよ」


『は、はぁ どうも…』


シュー「可愛らしいですよ」


『…!!』ドキッ


よし、これで自信がついたのではないですか?忍路殿!!


ふふふ…


シュー「はっはっは」


『…!?!?(なんなの?)』


━━━
━━



シュー「忍路殿、野菜への水やりですか」


『あ シューさん』


シュー「良いですね(よし、ここでも褒めあげよう)………水も滴る良い 女、という格言がありますが━━」


『ス、ストップ シューさん!!』


シュー「はい?」


『さっきから なんなんですか?そ、そんなにヘンな絡みをしてこなくても…』


シュー「私は思った通りの事を言葉にしているのです。……ヘンですか?」


『ヘンですよ!!こ、困ります(心臓がもたない)』


シュー「そんな事はありません。それより、髪に雫がついていますよ?」スッ


『あっ………(近い!)』ドキッ


シュー「お転婆な 水の妖精が踊っているようですね」


『ぶ━━━━ッッ』


シュー「どうしました」


『や、辞めて下さい!!聞いてるこっちが恥ずかしい!!ムズムズしちゃう(ドキドキもするけど)!!』


シュー「私は思った事を口にしているだけなのですが」


リスト「また………あんた達は」


『リストさん!!た、助けて下さい…』


リスト「シュー、あんた 忍路ちゃんを口説いてんの?」


シュー「はぁ!?口説く!?」


リスト「さっきから歯の浮くようなキザったらしいセリフばっかり」


『リストさん…??[さっきから]ってことは、このやり取りをずっと見てたんですか?』


リスト「どきーっっ……それはさておき、シュー、あんた その気も無いのに忍路ちゃんを勘違いさせる発言はよくないわよ?」


シュー「勘違いをさせるとは失礼な。私は忍路殿の事を本当に可愛らしいと思っております!」


『う、うぅ…(ドキドキするよぉ…勘弁してよぉ…天然タラシなの この人?)』


リスト「ふーん、それで?」


シュー「忍路殿ならば どんな男性に告白しても大丈夫、貴方は魅力的です。私のお墨付きですよ!!」


『は??』


リスト「…………つまり、意中の男性に告白できるように勇気づけてるつもりなのね」


『何よ [意中の男性]って!!だから!私はバッハさんの事が好きなんじゃないから!』


シュー「いえ、意中の男性が バッハ殿じゃなくても、他の男性だとしても…」


『うっさいわぁ!!シューさんのアホ!!鈍感!!』バタバタバタ


シュー「ええええええ!?アホ!?」


リスト「あーあ、走って行っちゃった…」


シュー「わ、私は…忍路殿に、自信を持ってもらおうと………」


リスト「だから、忍路ちゃんを褒めちぎってたのね(忍路ちゃんは違うだろうに)」


シュー「ダメでしたかね…」


リスト「……シュー あんたは、忍路ちゃんの恋が上手くいって欲しいの?」


シュー「ええ、それは 勿論…彼女が良い状態になれるのならば、友人として家族として、喜ばしい事で…」


リスト「…………」


シュー「どうして目を覆うのですか?」


リスト「…忍路ちゃんが、ヘンに自信を持って、ヘンな男に捕まって 大変な事になっても良いの??」


シュー「ヘンな…………男に…………??」


リスト「そーゆー不安は無いの??」




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