☆クラシカ口イドの小説(長編)
眼鏡があいつらとダブルで(チャイバハ風味注意)
チャイコ「忍路、頼んだからな」
『ええええええええ』
私の叫びがこだまする午後。
この納得のいかない、彼女の願いは こういうモノであった……
チャイコ「うるせぇ!!おめぇらカップルが目の前でイチャつきでもすりゃあ、あのお堅いバッハ様だって オラにその気になるかもしんねぇべ!?」
『わ、私達はカップルってわけじゃないし…』モゴモゴ
チャイコ「うるせぇうるせぇ!!そーゆー惚気はいらねぇから!とにかく協力しろって!シューベルトには話さ 通してあっから」
『ええええええ!?の、惚気って…ヤダもう……てゆーかシューさんに変な事言わないでよ!?』
チャイコ「バッハ様には、音楽へのインスピレーションを高める為の会合だっつってあるから!覚えとけよ!」
すごい剣幕で唾を飛ばしながらワンブレスで言い切ると、彼女は踵を返して帰ってしまった。
『な、なんなの……』
余りの勢いに しばし茫然。
去ってしまった彼女の背中がもう豆粒になっているのに 動けずに居た
━━ダブルデート━━
チャイコちゃんはそう言ってたけど 男衆は絶対そんなこと思ってもみてない状態なんじゃない??
ああ また無茶苦茶なイベントがやって来るのか
素通りしたいけど、コレをすっぽかしたり、蔑ろにでもしてしまったなら 後からチャイコちゃんに何をされるかわからないし……
こうなれば なるようになれだ……
━━━
そして迎えた、
その日━━━━━
━━━
━━
━
シュー「本日はお招き頂いて…」
チャイコ「本日はお集まり頂いて…」
『そ、そんな堅苦しくしなくても大丈夫ですよ…あはは、気心の知れた面々じゃないですか』
バッハ「…」
『バッハさんも今日はオフ仕様だ(カツラじゃない)し、リラックスして楽しみましょう(スーツだけど)』
シュー「そうですね…今日はどこに行くのですか?チャイコ殿が考えて下さった良い場所があるとか」
チャイコ「ばっきゃろぉ!!良い場所とか言うなや!ハードル上げねぇでけれ!!だども、ほれ 行くぞ」
何だかんだ言って いつものテンションの皆
でも、この面子って…………何てゆーか………
斬新?
どうなる事やら━━と10分程歩いて到着した場所は美術館だった。
シュー「ほう、美術館ですか!!これは面白い!」
チャイコ「んだべ!!感性を揺さぶるモンはここに有り!!まったり巡るべ!!」
『えっと…………[美しい日本画展]………』
バッハ「…」
館内BGMも静やかな和風BGMで、琴や三味線の 耳触りの優しいものに感じられる
でも、なんかコレ…
このノリって…
シュー「ほう!!これが北斎!!」
バッハ「力強い描写だ…」
チャイコ「バッハ様!!こっちにはヒョットコが!!」
外国人観光客をもてなす日本人の気分が凄い
聞いていたダブルデートって感じじゃないなぁ…
チャイコちゃんのコンセプトが
[バッハ様を楽しませて、創作意欲促進を兼ねた あわよくばダブルデートな感じ]
って気配が強めだからかなぁ…
それってもう [ダブルデート]の部分がついでっぽい…
いや、ここに居る皆はアーティストなんだから [恋愛]ってゆー1つの方面にだけ向かうのは ポリシーに反するのかも知れない
きっと、私だったら[ダブルデートがしたい]と決めたら 目的はソレしか無くなっちゃうけど、チャイコちゃんはちゃんと 皆が楽しめる方法を見詰めているんだ
思いやりのチョイスなんだ!!
スゴいよ、チャイコちゃん…
チャイコ「おい、忍路」コソッ
『え?』
チャイコ「おめぇ、ちゃんとシューベルトと くっ付けや」
『えええええ!?』
チャイコ「こったら薄明かりのムーディーな所なんだ、良い雰囲気になるに違ぇねぇべ!!」
『そ、そんな』
チャイコ「ちゃんとバッハ様に見えるようにヤレよ」ギロリ
『な、な、何それぇ…』あたふた
……………スゴいよ、チャイコちゃん
恐ろしいよ、チャイコちゃん
ムードの事も考えてたんだね
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