[携帯モード] [URL送信]

☆クラシカ口イドの小説(長編)
月(彼目線、ほんのりベト歌表現有)

歌苗「ちょっとベト!それ私のティーカップ!」


ベト「む、近くにあったので…」


リスト「間違えちゃったのね」


奏助「前も間違えてたよねー、もう 歌苗とベトさんのティーカップを取り変えっこしたらー?アハハ」


歌苗「何でそうなるのよっ」


モツ「あれー?ルー君 狙ったの?間接…キ・スゥ!」


ベト「んなっ!ヴォルフゥ!?きき貴様…」ボッッ


シュー「そうだぞモーツァルト!先輩がわざと婦女子のカップと間違える等あるはずが無かろう!」


歌苗「か、間接…」ポッ


『あらあら』


リスト「愛ねぇー」


ショパン「見せつけてくれる……」



…見せつけてくれる……



━━━


コンコンコン


ショパン「は、はい?」


『お邪魔します、ショパンさん 風邪気味だと伺ったので 蜂蜜ティーを持って来ました』ガチャ


ショパン「えっ、な、どうしてそれを?」


『リストさんが言ってましたよ』


ショパン「え、ありがと…」


『お口に合うか分かりませんが…お大事に』


ショパン「ぁ……の…」


微笑んだ彼女を引き止めたくて 何かを言おうとしたが、組み立ててもいない中途半端な発音は
パタンという扉の閉まる音にかき消された



━━━



モツ「今日もギョーザーだ」


歌苗「食材を無駄にしない為です」


リスト「あら、でも珍しいスープがあるじゃない」


シュー「肉団子の入ったスープ…ですか?」


『ギョーザーも3日目なので、少し付け合わせを変えようかと思って…中華スープを作りました』


ベト「ギョーザーは3日目だろうが4日目になろうが5日目になろうが美味いではないか」


歌苗「ベトはね…飽きてくる人もいるだろうから、忍路さんが気を使って作ってくれたんです」


奏助「うん、ウマイ!中華スープだからギョーザにも合うよねー」


ショパン「ボリュームも程好い…」


『お口に合えば幸いです…あ、安心して下さいね、調味料等は私が個人的に買い足したので、音羽館の食費には響いてませんよ』


歌苗「あらっ 流石 忍路さん…何だか俄然美味しいです!」


リスト「現金ね、子猫ちゃん」


ショパン「…」ズズッ




━━━
━━



はぁ

今日もだ


忍路と顔を合わせると、何だか落ち着かない

目が合うと、身体が触れると、声を聞くと 困る

胸元が震え 呼吸がやや不規則になる


それが嫌なら 部屋で御飯を食べれば良いんだけど
それは何か寂しいような
忍路が気になると言うか
変な気分で、ずっとモヤモヤしてる


何だろう モヤモヤ…

また今日もそんな想いに浸されて、こんな時間になってる
そろそろ寝なくちゃ
大家さんにドヤされる



ゲームの電源をオフにして 窓の外 月明かりを見上げる

ぼんやりとした優しい光に誘われ ふらりと窓を見下ろす


「…あ」


少し動いた人影に意識を奪われた 僕の口から声が漏れた


気付けば 僕は階段を降りていた
吸い寄せられるみたいに



━━━


月の光を浴びて 椅子に腰掛けて 彼女は小さく歌っていた

僕は知らない曲みたいだったけど キレイな声が闇を縫って…

側面で佇む僕は 君が此方に気付くまで 耳を傾けてしまったんだ




『わっ ビックリした!』

「ご、ごめん、驚かせるつもりはなかった…」

『い、いえ こちらこそ、す、すみません』

「…眠れないの……?」

『えへへ、まぁ…それに 見事なお月様でしょ?』

「そうだね……今の歌は…?」

『夕方のテレビで流れるCMソングです、覚えちゃって』


気恥ずかしそうに 視線を落としてフフフ、と笑う


「どんな、歌詞なの?」

『んーと…恋する女の子が 相手の男の子を想った、ありきたりなラブソングって雰囲気です』

「そう…」


言葉が続かない
月を仰ぐ君が 光を帯びたら美しくて、美しくて


……こんな気持ち、前にも……


心臓の脈動が血管が 熱過ぎる血を運んで往く
ドクンドクン、身体を揺らす程


『ショパンさん?』




[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!