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☆クラシカ口イドの小説(短編)
攻受を決めないと出られない部屋/シュー
[攻受を決めなければ出られない部屋]



「はぁぁ!?どういう事だ?」

『あのね、シューさん…ゴニョゴニョ』

「ブハァ」鼻血

『ま、またこーゆーお部屋ですか…参りましたね』

「ま、全くです…こんな破廉恥な…やはりモーツァルトのムジークに違いない…!!」

『まぁ…それはさておき、どっちでしょうか…?』

「へ?」

『その…シューさんが攻?受?』

「わ、私は…ッッ」


シューさんの顔は真っ赤で
とても困ってるようだ



「男性ですからね、勿論、女性をリードする側ですので…攻…です」コホン


『…』(どう見てもMっぽいし、受…なんだけど)



扉[判定しますので実践して下さい]ピコーン


「何だと?!実践?どうやって?」


『と、とにかく…攻受とか言ってる時点でカップル設定なので…私を…攻めてみて下さい』


「えええッッ?!どどどどうすれば?」


『あの…』ゴニョゴニョ


「ひえええええ」鼻血


『こ、この部屋から 出られませんよ?』


「ハッ そうですよね、一番心細いのは か弱い田歌殿ですよね…私がしっかりとリードしなくては…!!」


『…』(ホントに攻が勤まるのかな)


「不肖シューベルト…参ります」




向かい合うと長身の彼の体躯の逞しさにドキドキ胸が騒ぐ



『シューさん…』


私の声に応えるように少し笑って、

私を壁に追いやり、壁ドン

グローブを外した方の手が 不馴れな感じの、ぎこちない顎クイをする

そして流れる様に耳許で囁いた


「 田歌殿…」



ドキドキはする…するけど…計算しすぎだよ
それに…困ってるシューさん、表情が……………ヘンだってば
余計にこっちもどうしたらいいか分からなくなるよ…


『ね、狙い過ぎですよう…シューさん…』


「ええ…ダメでしょうか!?」


『えっ…と…』


扉[ブブー、認証できません]


「なんと!ぐぬぬ!」


『…仕方ないですね…では私が』


「…お、お手並み拝見といきましょう」ドキドキ



もう小手先の技じゃ ダメかな…
ならば、全力でぶつかるしかない…
リストさんの貸してくれた恋愛ドラマのDVDを思い出せ!


「…田歌殿?」


シューさんの腰に手を伸ばし、抱き締め ベストの 胸に顔を埋める


「…!!」(これは脱出する為、脱出する為…!)ドキドキ


『シューさんの匂い…』


「…あ、汗かいてますから…」


『もっと嗅がせて』


彼の首を 無理矢理にぐいと傾け
鎖骨に鼻を埋めて
肺一杯に味わう至近距離


「〜〜ッッ!!」


やっぱり 困らせちゃった
彼の頬に当てた指が熱い


私が激しく動揺しているのか、シューさんがポッポと燃えているのか、どっちだろう

どちらも、だろう


だけど…どうしてか
いつもより 大胆に、素直になれる


「…田歌殿!ちょ…!」


シューさんのシャツのボタンを解いていく


『こうなってたんですね、シューさんのシャツ』


「ななな…何をするつもりですか…」



焦りと戸惑いで私を少し警戒する


『シッ…また 判定に失敗しちゃいますよ…
攻受を決める為に閉じ込められた空間…脱出するためです』


「で、ですが…」


『大丈夫…イヤな事をしてしまったなら言って…すぐ 辞めますから』


「……ッッ…!」


露になった彼の首や鎖骨に口付ける


密室のせいかな…
こんなにに 大胆に振る舞える

ちょっと私らしくない


「ア…っっ」


『シューさん…カワイイ』


「…!や、やめて下さい…そんな事言わないで…」


『辞め…ますか?イヤでしたか?』


「そ、そういう意味じゃ…」


『じゃ、どーゆー意味ですか』


「そ、そんな 恥ずかしい事を…い、言わないでほしいって意味で言った[やめて]です…」


『そっか…じゃあ、イヤじゃないの?こうされるの…シューさん…』


「〜〜!!」


『イヤじゃないかな?』ちゅ


「ひぁ…ッッ」


彼の胸の先を唇で触れると
聞いた事のない声と 見た事のない表情が
私の嗜虐心を煽った


「あ、あ ななな、なんて事をッッ」


辛うじて言葉を繋ぐ
もう彼の目には涙が溢れている


『イヤじゃないみたいだから…真っ赤だよ、シューさん』


「い、イヤとかじゃなくて…そのあの…ぅぅゥあぅァ」


最早言葉を失い、何も言えなくなってしまった彼の目の
涙がついに一筋 零れる


[認証完了、お疲れ様でした]プシュー


『へ』

「なっ 扉が」

『ひ、開いた?』



突然の機械音声に驚く


『も、もしかして シューさんの涙のせい?』


「は…??泣いたら…受…?泣かせたら、攻?って……コドモ理論かぁぁぁ」


『ま、まぁ 無事に部屋から出られるみたいです、良かったですね』


「…良く…ない…」ゴゴゴ


『ん?』


「田歌殿には…責任を取ってもらいます」ゴゴゴ


『な、何の責任…』


「あそこまで弄ばれて…男として黙ってられなくなってしまった責任ですよ」ピシャーン


『わぁぁ!?ま、魔王降臨?な、何で?シューさん、イヤがって無かったんでしょ?』


「むしろ イヤがって無いからです。さぁ 攻受勝負再開です。次は私が絶対に攻です。」


『ちょ…意味わかんないしシューさんらしくなひゃあああ』


シューさんのプライドが黙ってはいられなかったらしい。

魔王がバックに聞こえて来そうなラッパーシューさんに変身…
これは予想外だし、無事にこの空間から脱出できるのかな?
頭に血が昇ったシューさんを前に、とりあえず対応を考えつつ途方に暮れるのだった。


end



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