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☆クラシカ口イドの小説(短編)
攻受を決めないと出られない部屋/モツ
[攻受を決めないと出られない部屋]



「え 何々?またスペシャルルーム?」


『うぇ!?ウソ…えええええええ』


「攻受…ってどーゆー事?田歌??」


『よく…解らないけど…』
(どどどーしよ…モツさんとまたこんな部屋に来てしまった…襲われるのでは…!!)


「イチャイチャすればいいって事?」


『そーゆーニュアンスは分かるんですか…』


「えへへー スゴいでしょー」


(ダメだ…この人のペースに飲まれたら)


「…ねぇ、田歌 」


『は、はい?』


「踊らない?」


『へ?』


「ほらほら♪…マイネ…ムジーク♪」


『えっ わぁぁぁ』


その曲はアイネクライネ


巻き起こる軽快なリズムに乗せて、具現化させるおもちゃの街が出現
ぬいぐるみが踊り 宝石やドレスでキラキラと目の前が華やぐ
カーニバルだ

私の衣装も フリルいっぱいのドレスに変わった

彼のムジークがきらびやかに世界を彩る


「登場人物は僕達だけ♪ハッピーなスペシャルパーティーだよぉ!」


『わぁ…キレイ!』



━━



「どう??たまにはこんなのもイイでしょー♪」


『はい…思わず踊り出しちゃって ホント素敵な曲…』


「…いいね、その笑顔が見たかった」


「なんか緊張したみたいなカオになってて なんか悩み事でもあるの?」


『そ、そんなこと無いですよ??
(貴方のスキンシップが怖かったから…なんて言えなくなっちゃった)』


「そっか…なら良いんだ。田歌には笑顔が一番似合ってるよ、僕が選んだそのドレスもね」


『あ、ありがと…ございます』ドキッ


「フィナーレは僕と踊って下さい♪」


ニッコリと 指揮者姿のモツさんがタクトをぬいぐるみに渡す

そして私の腕を引き 楽しそうにステップを踏む


『私…こんなのしたこと無い…踊れないよ?』


「大丈夫、僕に体を預けて♪」


『う、うん…』


優雅な足元にリードされる

ダンスもお手の物なのね、舞踏会とか何度も経験してるんだろうな


「そろそろかな…」


『?』


パァン!


頭上で光のシャワーが弾けた


『わぁ…花火…』


「フフフ、上がった上がった」


『キレイ…』


「田歌 もキレイだよ」


『つ、月並みですね』


「月並みなほうが安心するでしょ」


「何?それ」


フッと
彼は目を細め 包む様に私を抱きしめた


『モ、モツさん…』


「…」


少し力が入ったかと思うと また笑った


「田歌も…僕を抱きしめたくなったらいいのになぁー」


『へ?なっ?』


「ショパン君に また犬にでもしてもらっちゃおっかなー」


『そ、そこまでして…』


「うん、 田歌に 抱きしめて欲しいもん…犬なら、さぁ」


ぐい、と彼の腕の力が強くなった
そして 耳元 近く 唇を寄せる


「触って、撫でて、抱きついて…くれるでしょ」


『…━━!』



何だか切ない、少し悲しげな瞳の奥に碧が翳る



『べ、べつに…抱きしめるくらい…いつでもしますよ…』


「田歌 ?」


『調子に乗らなければ』


「田歌 ーーー!」ぎゅうぎゅう


『ひぇっ…く、近い近い近い苦しいッッッ』


「ふふふ…嬉しい!僕のこと もっと抱きしめてイイよ!」


『━…』ドキン


彼の瞳に星がちりばめられたみたいに 輝いてる

ほっぺた 熱い
誤魔化すみたいに モツさんの身体に顔を埋めた

普段なら 絶対しないよ、こんなの

二人っきりだから出来たのかな


貴方は分かってる…?
素直になれない私…


気付いたら扉は開いてた

どの段階で認定されたんだろ…
恥ずかしいな


end






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あきゅろす。
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