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☆クラシカ口イドの小説(短編)
キスしないと出られない部屋/ショパン
━キスしないと出られない部屋━



ショパン「何…ココ」


『誰かのムジークでしょうか?』


ショパン「だとしたら この扉への物理攻撃は無意味…」


『ですよね…ムジークのルールに…従うしかありませんね』


ショパン「…」


『…』


━━━
━━




先程の会話から一向に動かない
てか喋らなくなった

しゃがみ込んじゃった

たまに何かブツブツ言ってる?


『あ、あの ショパンさん?ルール通りにしてみるんじゃないんですか?』


ショパン「…」



ダメだ 固まってる
体育座りのまま動かない…何故…


━━━
━━



『…ねぇ、ショパンさん…どうしたんですか?黙りこくって』


ショパン「…」


『もしかして具合悪いとか?』


ショパン「違うよ」


しゃ、喋った!
やっと喋った…



『じゃあ 怒ってるとか?』


ショパン「違う…」


『じゃあ どうしたんですか?』


ショパン「別に…」


『ここから出ましょうよ…』


ショパン「…」


う…また黙っちゃった?


『ここから出たくないんですか?』


ショパン「…」


『…もう…はぁ…お腹すいて来ちゃう』


私が溜息をついて 壁に凭れた時
彼は立ち上がった


ショパン「…そろそろ…いいかな…」


『へ?』


それは 私にハッキリとは聞こえないボリュームでボソッと呟いた


ショパン「出たいよね…じゃあ…」


『へっ あっ えっ』


ムードもタイミングもオカシイけど
これが彼のキスの合図かと思って身構える


彼が立ち上がり、いつも前髪で隠れている目がチラリ
その高身長を見上げたから
不意に視線が重なる



ショパン「キス…いい?」


『はっ、はい』


嗚呼 これでやっと出られる…そう目を閉じた瞬間


かぷ


『え』


ペロ ぴちゃ かり ぴちゃ


ショパンさんに
耳を
かじられ、舐められて…え??



『わ…ちょ…ショパンさ…なっ…何やって…ひゃ!』


ショパン「ん…キスまでの…」ぴちゃ


『うゃ!くすぐった…』



耳元 踊る舌と
発する言葉のくすぐったさ

そして恥ずかしさと困惑



ショパン「前戯」


『んなっ…わっ…アッ』


困惑と、彼に触れられて上がる心音と、白昼夢の感覚、入り交じる感情が身体の熱を上げていく


そして ゆっくりとこめかみを伝う彼の舌

強張ってしまう私の肩

もう一度 耳を甘噛みされて、跳ねる背筋


かと思うと


首筋まで下りてくる 彼の舌

思わず引ける私の腰


━━
━━
━━


どうして どうしてこんな

こんな事をされているんだろう


『ちょ、あの ショパ…さ…やっ…ぁ』


彼は何も返してくれない

荒い荒い、息遣いだけ


強い腕で抱き締められて
振りほどけない
細い腕と体つきだと思っていたけど…やっぱり男性なんだ…
少し[怖いかも…]と思いつつ、ショパンさんの舌と歯で愛撫されて 思考が蕩けてくる


ショパンさんの表情から何か読み取ろうと
必死で顔を合わせようとするが
それはそれは巧みに
合わせてはくれない

さすが引きこもり


だけど チラと視界に入ったショパンさんの顔色は
苦しそうに、上気した頬で
吐息だけが甘く、切なく 鼓膜に響いた


『も、もう…いい加減に…ふッ…ァ…』


扉を開け、終わらせてやろう

と 私の身長で届きそうな 彼の胸を狙い、キスを仕掛けた


しかし スッと身を翻し、この口元は彼の掌で覆われて キスは封印されて仕舞った


『むぐぅー!』


ショパン「…まだダメだよ」



切ない吐息声で続けた



ショパン「やっと…二人きりになれたんだから、もっと…ネ?」


『んー…?!』


頭部を抱えられる形で口を手で塞がれ
もう片方の手で手首を押さえられ

耳から首にかけて 丁寧にナブる


何だ これ


『ふぉの ヘンタイ…んっ…』


ショパン「キス、したら終わっちゃうでしょ…何の為に二人きりの時間を大事にしてたと思ってるの」ぺろ


ショパン「(少しでも、君と二人きりの時間を…大事にしたいんだから)」


『んなっ、このムッツリスケベ…あッッ…』


ショパン「気付くの、遅いよ…」ぴちゃ


『こ、こっから出してぇェェ…』


ショパン「飽きたら…ネ」


ショパン「(飽きるワケ 無いけど)」


end



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あきゅろす。
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