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☆クラシカ口イドの小説(短編)
キスしないと出られない部屋/モツ
[キスしないと出られない部屋]



モツ「何何ココ?面白いねー」


『…面白くないです』


モツ「キスだってさー?キスしよっかぁ 田歌」


『…まぁ…仕方ないですよね…緊急事態ですし』


モツ「じゃあ…ん━━━━━っ」


『うぉぉッッ、ちょっと待って!』


モツ「何?」


『あのっ、別に キスって唇じゃなくても…頬っぺたとかオデコでもイイんじゃないですか?』


モツ「何言ってんのー キスって言ったら唇に決まってんじゃん、ほら んー」ぐい


『いやいやいや、オデコで試してみましょうよおォォォ』サッ


モツ「えー 絶対 唇だってばー 唇で試してみようよォォォ」ぐい


サッ
ぐい
サッ
ぐい
サッ





「…」『…』



モツ「何で逃げんの?」


『…』


モツ「そんなに僕が嫌?田歌」


黙る私の顔を除き込むと

無邪気な彼の瞳が突き刺さり 胸を射ぬかれる




『…モツさん、女の子なら誰にでもそーなんだもん』


モツ「…」



一寸目を見開き、彼は笑い出した
訳が分からず 怒気を孕ませ睨む



『何で笑うんです』


モツ「ハハハ、いやごめん フフフ」




私の肩に手を乗せ 青い瞳が優しく輝く



モツ「僕、女の子の友達はいっぱいいるけど ちゃんとキスをしたいと思ってるのは田歌だけだよ?」


『…ッッ』



モツ「可愛いなぁ、もしかして田歌 僕を独り占めしたいの?」



『ど、どーしてそーなるんです』



モツ「フフフ…そうだったイイのになぁ、って」



いつもの無邪気な笑顔の向こうに 頬の赤みを見つけた気がして

胸の疼きが大きく鳴ってしまった



『…この…スケコマシ!オンナたらし!スケベニンゲン!』


「え?どゆこと?特に最後の何?」


『煩いっ!』ぐい



流される訳じゃないけど、このまま変な雰囲気になっちゃうのが怖くて モツさんの頬に唇を押し当てた



━━パカッ


そして ドアが開く



『な、なんだ やっぱり頬っぺたにキスでも判定内じゃないですか!!』


モツ「えー?もう終わりー?つまんなーい」


『い、いいから!開いたんだから…出ますよ…』


モツ「せっかくチャンスだったのに」


『何がです…』


モツ「田歌とラブラブする チャンス」



『』



何か…もう…なんなの
この女たらし…どうしよ

もう 胸はドキドキ頭はクラクラ



部屋を出る時
歩幅を合わせるモツさんのほうはなるべく見ないようにしたのは

流されないように…
意識し過ぎちゃわないように


コレはべつに
ときめいてなんか無い
酸欠で心臓が激しく脈を打っているだけ!



end



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あきゅろす。
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