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☆クラシカ口イドの小説(短編)
お題、ナンパ/シュー
男「ねぇねぇ付き合ってよー」

男2「ほらほら」

『離して下さい…!』


シュー「何をしているのですか」

『シューさん!』

男「知り合いか?外人…?」

男2「変な格好しやがって…デカイな…」

シュー「この方達はお知り合いですか? 田歌殿」

『ち、違います!知らない人です!』

男「さっき知り合ったばっかで今から仲良くするンだよ」

シュー「さっき知り合ったばかりでもう仲良し、ですか!さすが田歌殿、人当たりも良く 社交的ですものね」

『状況見て下さいよ!そんな訳無いじゃないですかぁぁぁ!』

男2「おう、分かったらとっとと失せな 兄ちゃん」

シュー「…ですが、 田歌 殿のお友達にしては些か 品位に欠けますねぇ…ホントにお友達ですか?」

さりげなく眼鏡のツルを人差し指で推して私に合図する

男「だからそうだって言って…」

私が耳を塞いだのを確認して シューさんが叫ぶ

シュー「……ムジーク エアクリンゲン!!」


それは子守唄のムジーク
私よりも体格の大きかった男達がみるみる呆けた顔付きになり
しゃがみ込んで小さくなる

子供返りしながら何かを呟いたり歌ったりし始めた…



シュー「彼らも これくらいの幼い頃は無垢な魂だったのでしょうが…」


『あ ありがとうございます 助かりました!』


シュー「いえ、とは言え 女性の一人歩きは危険ですね」


『大したことは無いはずの御使いなんですけどね…エヘヘ』


シュー「……大屋殿に事情を説明して、今後 田歌 殿が御使いに行く場合は私もお供させて頂くようにしましょう」


『えっ、だ、大丈夫ですよ そこまでして貰わなくても…』


シュー「いいえ、ダメです」


『そんな…きっぱり…』


シュー「田歌 殿はとても魅力的です、それを自覚したほうが良い」


『えっ…そ、そんなこと』


シュー「だから時に 花の香りに寄せられてヘンな虫が絡みついて来ることもある」


『う…』


シュー「ですから、ほら、手をお貸し下さい」


シューさんは有無を言わさず、パッと私の手を繋いだ
白手袋越しの体温が柔らかく包んでくれた


シュー「これで、一応絡まれないはずです」

『…シューさんの手…おっきい…』

シュー「えっ ははは そりゃ 私は男性ですもの」

『うん、なんか コレ 安心しますね』

シュー「そ、そうですか?」


先程まで雄弁だったシューさんは唇を引き結んで喋らなくなっちゃった

だけど 手は少し痛いくらいに握ってくれていた


シュー(あれ…何か…顔が熱い…風邪か?)




end




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あきゅろす。
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