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☆クラシカ口イドの小説(短編)
お題、ナンパ/ショパン
男「ねぇねぇ付き合ってよー」

男2「ほらほら」

『離して下さい…!』


ショパン「…」

『え?ショパン…さん?』

いつの間にか私の隣、音も声も無く立っていたのはショパンさんだった

あれ?よく見たらムジーク衣装…?何故?



男「うっわ!!何だお前!!変な格好…!?」ビクゥ

男2「いつからそこに居たんだ?!ま、前髪厚ッッッ!」

『ショ、ショパンさん、助け…』

ショパン「…ムジケン!」カッ

男「な、何だ?雨?」

男2「え?俺達の上にだけ…?雲が…?」

『あ、雨だれ…憂鬱…?』

男「くっそ、なんだってんだ…ぺっぺっ、畜生」

男2「なんだこれ、この雲どこまでも付いて来やがる!ひぃぃぃ」

ショパン「…」


奇妙な攻撃に恐れを為し ナンパ男達は逃げて行った
それを見届け 終始無言のショパンさんも演奏を止めた


『あ、あの ありがとうございます…』


ショパン「いや、たまたま通りかかっただけだから…」


『………じゃあ何でムジーク衣装で音も無くスタンバってたんですか?』


ショパン「…」


ショパンさんの厚い前髪を覗き込むが表情はわからない

暫しの沈黙を経て彼の声が響く


「フラグだと思ったから…」

『?フラグ…?』

ショパン「君をホントに助けなきゃいけない、大事な時…」

『そ、そうですか…よく分からないけど た、助かりました…』


ショパン「良かった…無事で」


私の頬を長い指先で撫でつけて彼は呟き
首筋に触れる


『…は、はい!?』ビクッ


ショパン「僕の…知らない所で、またあんな人達に絡まれたらイヤだな」


『え…?』


私を見据えて ショパンさんは 少し怒気を孕ませた声になった

心配してくれているのかな…ちょっと怖いけど


ショパン「もう…僕と引きこもっていよ…」


『え?』


ショパン「僕の部屋、なんでも揃ってるから…ずっと、引きこもってようよ…」


『な、何言ってるんですか…』


ショパン「ずっと…守ってあげるから…」


『な、あ、あの』


思わぬアクションに上手く喋れない

ていうか、とても近い!

前髪から目がチラチラ覗いて…ううぅ…美形…



『あ、あの…忘れてるかもしれませんけど ココ、外ですからね、さっきから通行人の視線が…』


ショパン「……!」


その一言で彼は青ざめてダラダラと油汗を流し出し、何処から出したのか、いつもの段ボールを被ってしまった


ショパン「外、コワイ…」

『えっ!おーい?!さっきのカッコ良さはいずこへ…』

ショパン「知らない…早く帰ろう…手、繋いで…」ぶるぶる

『ええええ』



先程の颯爽たる王子様姿は何だったのか…
私はショパンさんの手を引いて帰路を辿っている


でもまぁ…
いつも被ってるこの段ボールを脱いで 助けに来てくれたってことだもんね

頑張ってくれたんだよね


『ありがとう、ショパンさん』

小さく呟いて 繋いだショパンさんの手を両手で包み、抱き締める

ショパン「……て」


『え?』


ショパン「それ、帰ったらもう一度やって」


『えっ』


ショパン「僕の部屋でやって」


『ええええええええ』


ショパン「絶対やって」


…………困った人です…



end



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