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☆クラシカ口イドの小説(短編)
色々しないと出られない部屋/バッハ
[どちらかが愛を叫んで
パフェを食べさせ合って
お医者さんごっこしないと出られない部屋]



バッハ「…」


『うわああぁぁぁぁ』


またしてもこーゆー部屋だ
バッハさんが…怒ってる?困ってる?何とも形容しずらい顔してる…


バッハ「愛…叫ぶ、とは?」


『ね、ハハハどういう事でしょうね…』


ここはもう、私がバッハさんへの日頃の感謝と敬愛を込めて叫ぶしか…!


バッハ「 フューゲ ディッヒ ツゥザメン マイネ メロディ」


『え』


どぱーん


『こ、これは… ブランデンブルク協奏曲…すべては愛から…よ、よし、私も…!』


バッハさんの旋律に併せ、声を重ねて ドレスアップした

音の海に身を任せ バッハさんの纏いと同じ白を従えて踊る



━━━
━━





バッハ「素晴らしい…」


『あ、こちらこそ…と、一つ鍵が開いた?』


バッハ「やはり君のムジークは…とてつもない力を持っている、どうだろう アーティストとして、世間に君の音楽を出すつもりは無いか?」


『えええ 私にはそーゆーの、似合わないので…』


バッハ「そうか…」


おっと…バッハさんがシュンとしちゃった

いけない、話題を逸らそう…


『バッハさん、あーんして下さい!』


バッハ「ん…モグ?」


バッハさんの口にパフェを乗せたスプーン、突っ込んじゃった…けど、味わってる


バッハ「…美味い」


『次のロック解除の条件は、パフェの食べさせ合いみたいですよ』


バッハ「ふむ…妙な条件だな、この部屋を作った目的は何だろう…」


彼は神妙に眉間にシワを寄せてぐるりを見回す
しかし 答えなど出る訳もない事に気付いたのか、私に向き直り もう1つのスプーンで掬ったパフェを差し出す


バッハ「田歌 …あーん」


『』


バッハさんが…あーんてしてくれている!
な、何だか凄い光景で 恥ずかしい…


バッハ「食べさせ合いだっただろう…溶けてしまうぞ?」


『は、は、はい!』ぱく


どうしよう恥ずかしい!

こんなハリウッドスター顔負けのイケオジに…食べさせ合いなんて!あーん、なんて!
心臓がもたない…



『あ、あの あーんして…』


バッハ「ぱく」


『!!』


ナチュラルに食べてくれる…私のスプーンから…
嗚呼、胸と頭の血が沸騰して 真っ白になる…


━━


そんなこんなで、次はお医者さんごっこ…


バッハ「どうした?疲弊しているのかな?」


『ちっ、違います!』


バッハ「…お腹が空いたのかな?」


『パフェじゃ足りなかった訳ではないです…』


バッハ「ふむ…」


『バッハさん、お医者さんみたいですね』


バッハ「ハハハ…そうか?」


『でも、今回、お医者さんごっこのドクター役は譲って欲しいです』


バッハ「?…かまわないが?」


『はーい、じゃあ お顔を拝見』


バッハ「…?」


さっきはパフェを食べさせ会う事で照れたのに、今度はしっかりと見つめる
これに彼は少し戸惑ったみたいだった


『やっぱり…あんまり寝てませんね?』


バッハ「う…どうしてそれを」


『目が物語ってます…さ、そこに寝そべって下さい』


都合良く、保健室に置いてる様なベッドを指差すと バッハさんは素直にうつ伏せで転がる


『失礼しますね』


バッハ「!」


腰に手を当てて、体重を掛ける
そして背骨の筋を細かく押す
続いて両手で肩の下を圧迫…


バッハ「む、う…これは…マッサージ…」


『素人の拙いものですが…』


バッハ「気持ちが良い…」


『良かった』


しかしこの人 大きいな
頭のてっぺんから爪先まで距離がある…


バッハ「乗っかってくれても構わない」


『それじゃ失礼しますね』


少しやりずらそうにしてたのがバレた…
素直に乗っかろう


『髪、乱れちゃうけど…許して下さい』


バッハ「構わな…ふぉぉぉ?」


頭部、こめかみ、前頭葉、後頭部、側頭葉…
丁寧に揉みしだいていく


バッハ「これは…なかなか」


『首もいきますねー』


バッハ「…」


あれ?
返事が無くて 動かない

…あ

寝……た?


うん、お疲れ様です
いつも休む暇が無い事くらいわかってます

こうやって貴方に休息をあげられるなら 頑張ります


でも、彼の寝顔
無防備過ぎる寝顔を見ていたら…

私も…

ごめんなさい、許して下さい


バッハさんの上にそのまま倒れ込む形となった姿は
まるで亀の親子だけど…
背中広ぉい、暖かぁい
気持ちいい…おやすみなさい…




end

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あきゅろす。
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