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☆クラシカ口イドの小説(短編)
色々しないと出られない部屋/ベト
[どちらかが愛を叫んで
パフェを食べさせ合って
お医者さんごっこしないと出られない部屋]



ベト「…これは…」


『テーマ 長っ』


ベト「また…こういう部屋か」


『とりあえず…愛を叫んで下さいよ』


ベト「よし…では……」


ベト「…いや…ちょっと待て…」


ベト「…ど、どうして俺がお前に今あ、あああ愛を…謳わなければいけないのだ」


『………女の子に、言わせる積りですか?』


身長差のある俺の唇に彼女の指が触れた
目が合ったのは2秒だけ



ベト「…あ…愛を…」


『…』


口を開けばまた見詰め返してくるので
もう 熱くなった顔では 何も言えなくなってしまった


『それは…後回しにしましょ…か』


ベト「む…」


『埒が明かない』


『イクジナシ』、次のセリフが小声だがそう聞こえた気がして 思わず口が出そうになった
だが


ベト「なんだと…ムグ」


スプーンを突っ込まれた口内にひんやり、甘い感覚が広がる


『パフェ、食べさせたげます』


ベト「……甘い…」


ベト「モグモグ」


ベト「ギョーザーの具に…どうだろうか…」パクパク


『気持ち悪いです…てゆーか、食べさせ合うって話じゃないんですか?私にも一口下さい』


ベト「ああ…悪い…」


『ちょっとしか無いし』


ベト「う…」


『もうイイです』


呆れた様に、歌う小娘は俺の顎を掴む
ジャンプしてみて俺に届かなかったのが気に障ったのか少し眉をひそめて

『少し屈んで』と不機嫌そうに言う


言うがままに前のめりに身体を傾けたとき、彼女は俺の唇の端をベロりと舐めた


ベト「…ん!?」


『これで食べさせて貰った事になるかな?』


ベト「…んんん?!」


何が起きたのか理解出来なかった
只 残った軟かい舌先が俺をなぞる感触だけが
何度も何度も駆け巡る


『一先ず…お医者さんごっこに移行します?』


ベト「う…ぉ…ああ…えっと…」


顔中が羞恥と疑問と熱情の炎に 染まった

とんでも無いことをされた
された、が、
余りに自然に、何事も無かったかの様に流されたので 混乱しながら[お医者さんごっこ]というワードに
意識は向けられた
が、



『ベトさんの…唇、いつも引き結んでる割りに 柔らかそうですね』


この一言で また俺の熱は暴走して ブラックアウトしたのだ



━━━━━
田歌 目線
━━━━━



━やっぱり、こんな一言で…気絶しちゃった
よし、今の内にお医者さんごっこは済ましちゃおう


『ベトさん、大丈夫ですかぁ?』
『今日はどうしました?』
『お腹痛くて気絶しちゃいましたかぁ?』



一人芝居だけど、本人が起きてたほうが難しそうだから 丁度良いかも…


よし、一応出来たかな
次は…愛を叫ぶのか………


気を失ってるベトさんだから
今なら…言える…かな


『ベトさん…』



あーあ、イクジナシはどっちだろう

この言葉を聞く勇気も、伝える勇気も無い 私の方かな


……うん、ベトさんも…きっと、そう、なんじゃない?


ねぇ… 起きて 聞いてても良いよ?

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あきゅろす。
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