☆銀魂の小説(真選組/長編) 3―マヨネーズとサングラス(坂本→土方オチ) 銀時「ときに辰馬…おまえんトコ カタログ通信販売初めてなかったっけ?」 坂本「しとるが…なんじゃ金時、おまん ファッションに興味あるがか?」 銀時「俺じゃねーよ、そこの嬢ちゃん、仁和にだ」 銀時「こいつの会社は貿易だからな 仁和は着物が不得意だろ、もっと着やすい服とか取り扱ってないかーとかそんな話をしてたんだ」 『銀さんがスゴく出来るイケメンに見えてきたですよ』 坂本「天人みたいな服じゃぞ?ええかいのぅ?」 『ドュフッッ天人上等。阪本さんとお揃いにしちゃうおかなーっドュフフフフ』 神楽「仁和、キモチ悪いね」 新八「…なんか仁和さん、キャラぶれてない?」 『ぶれてない、ぶれてない』 『とにかく坂本さんとゆーエンジェルが現れたから元気と涎がナチュラルに出たよ』 銀時「おまえ…そんな 涎がナチュラルに出るほど着るものに困窮してたの?」 坂本「アハハハハ!そらぁ難儀じゃったろうに!よーし我が社のカタログを進呈しよう!!ほれ、お得なクーポンもサービスするぜよ」 『ひゃあああぁぁぁお得なクーポンに女心が揺さぶられるぅぅぅ!』鼻血 銀時「なぁ…辰馬、 どうせこのあと暇だろ 仁和に江戸の観光案内でもしてもらえば? なんたって警察だからな、道案内はお手の物だろ」 坂本「おお、そうなんか、渡りに船じゃのう 市場の視察なんぞしてみたいと思っちょった所じゃき」 『ひゃあああぁぁぁとろけるぅぅぅ』鼻血 銀時&神楽&新八「(おもしろ…キモいけど)」 『ありがとう銀さん、今度パフェの食べ放題に行こう』コソッ 銀時「鼻血拭けよ」 ━━━ ━━ ━ さて、銀さんの粋な計らいによって 阪本さんとランデブーできる なんて素晴らしい日なんだろう 『銀さんとは長いお付き合いなんですか?』 坂本「ほーじゃのー…もうかれこれ何年になるかのう」 とりとめの無い会話をして 市場を見て デパートを見て スーパーを見て、 会話に詰まると勝手に喋ってくれるので些か救われたり デートでは無いけど、少しデートみたい なりゆきって恐ろしいけど楽しい ━━━━━ ━━━━ ━━━ 坂本「いやぁ 歩き疲れたかのぅ、仁和は大丈夫か?」 『ええ、大丈夫でしか無い』 坂本「付き合わせて悪いのう、何か礼をしたいんじゃが…」 『えっ 気を使わないで下さい、私も楽しかったし ええ、この世界に舞い降りてくれてありがとうございます!ええ、楽しかった!』 坂本「アハハハハ、仁和はおもしろいのう、余計に何か礼をしたくなるのぅ」 『…じゃ…ワガママ言って良いですか?』 坂本「おう 何でも言い!!」 ――――― ━━ ━ 『エヘヘヘ楽しかったぁ』 坂本「はぁー…最近の若い娘御はこがなモンが好きなんかぁ」 坂本辰馬は先程ゲームセンターで撮った 数枚のプリクラを見詰め感嘆の声をあげる 一息ついたカフェでコーヒーをオーダーして やはりゲームセンターのキャッチャーで取ってもらったぬいぐるみを見詰める 坂本「アハハハハ、仁和は変わっとるのぅ、折角の可愛いぬいぐるみが台無しじゃぞ」 『良いんです…家宝にするし』ジュルリ ぬいぐるみの腹には、せがんで書いて貰った《坂本辰馬》とサインが入っていた 銀さん達が見たら笑うんだろうな 『あとホラ 記念の写メもこんなに…デュフフフ』 坂本「アハハハハ、そんな喜ばれるとなんか こそばゆいのう」 照れ笑いが零れる 坂本「どうした仁和??おんし…血が…??」 『はははちょっと口紅が液化しちゃって』鼻血 ――――― ━━ ━ その様子を 怪訝な面持ちで眺める二人組が居た 山崎「副長…もう帰りましょうよ…」 土方「いや…まだだ、仁和…が騙されてるかも知れねぇだろ?」 山崎「…デート…ですかね」 土方「…デート…」 この二人は任務中で変装して容疑者を追跡していた 山崎に至っては女装である 山崎「わー…仁和さん、乙女だなぁ」 土方「なんだ山崎、おまえ仁和に気があったのか?」 山崎「いや俺にはたまさんがいるから…」 土方「からくりか…おまえは物好きだな」 山崎「(…もっと罵倒してくると思ったのに…やっぱ副長…)」 ――――― ━━ ━ 坂本「今日は楽しかったぜよ」 『…そろそろ良い時間ですね』 ―すまいるが開店する時間― 坂本「うむ、この後は人と…会う予定があるんでな」 ―知ってる― 『今日は…ありがとうございました』 ―あの人に会いに行くんだね― 『私の方こそ、凄く楽しかったです』 ―貴方を調べた時に、プロポーズまでする相手がいる事を知ったの 今日は 会って話を出来るだけで良かったのに こんなに 一緒に居られて嬉しかった わざわざ会ってお話するのは 貴方を諦めるための 失恋のための 儀式 一瞬の恋だったけど 本気だったもん だから必要なケジメなの 彼の目に 私なんかが映るスキは無いんだって 思い知る為の 儀式が 計らってくれた銀さんに 後で説明しなきゃ いや 気付いてそうかな でも お礼しなきゃ 愁いがバレない様に 上手に、上手に 笑って見せた 軽く会釈をして手を振り 人波に消える背の高い赤い背中を 振り返らない背中を ずっと見詰めていた ━━ ━━ ━━ さぁ…屯所に帰ろう ストレス発散出来たもんね 冷めたカフェモカを飲み干して もう会計を済ませて貰った店を出た ――――― ━━ ━ ━━━ 彼目線 ━━━ ━━━その横顔に見入ってしまった 瞳の奥を、奪われていた そんな表情は狡いじゃねぇか――― 山崎「仁和さんが店を出ますね あ ホシも動きましたよ 副長、追いましょう!」 土方「先に行っててくれ、後で追い掛ける」 山崎(やっぱ気になるのか、この人は) [*前へ][次へ#] [戻る] |