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☆銀魂の小説(真選組/長編)
恋にマヨう魂の部屋2
土方「チッ…」


『[女はこれだから面倒くさい]って思ったでしょ』


土方「…………思ってねぇ」


『はいダウトー、土方さんは顔に出るー』


土方「女が面倒なんじゃねぇ、お前が面倒なんだよ」


『はぁ!?何それケンカ売ってんの?』


土方「…………勝手に塞ぎこんでイジケてただけだろ」


『歩み寄る瞬間をくれなかった土方さんが悪い』


土方「…ああぁん?」ひくっ


『土方さんは無愛想なんだから、そっちから気を使ってくれても良いでしょ。ったく、仕事以外はホント 駄目野郎なんだから』


土方「………おまえ…万事屋に似てきたぞ」


『万事屋さん達とは仲良しだから少しくらい似たりもしますよーだ』


土方「…………じゃあ万事屋と付き合やぁ良いじゃねぇか」


『あー、そーゆー事言っちゃう?』


土方「…」


『そうだよね…厳密に言えば、私達 付き合ってる訳じゃないもんね』


土方「…」


『ほら、また[女って面倒だ]って思ったでしょ』


土方「いや、だから女全般が面倒なんじゃなくて…」


『解ってるよ、どうせ私は 物分かりが悪くて優しくなくて、[守ってあげたい]なんて思わせられるキャラでもないし、穏やかでも無いし…』


土方「………誰と比較してやがる…」


『思い当たる節でもあんの?』


土方「(何だよ…しっかり解ってるんじゃねぇかよ)」


土方「………っとに…可愛くねぇな」


『あんたもね』


土方「可愛くねぇ!!」ばっ


『ぐえっ』


語気を荒げ、「可愛くない」と言われたのに その瞬間 私は土方さんの腕の中に居た


『…ッッ!?』


土方「おまえはおまえだ…他の誰でもねぇ…誰の代わりでもねぇ…」


『な…』


土方「不安にさせて…悪かった…」


『』


謝った

彼が


深くは言葉にしないが、その[悪かった]には、私が思い悩んだ全ての事柄への謝罪が込められているように感じた


甘い、ご都合主義な解釈だ、バカ女
自分でもそう思う
だけど…


彼は薄っぺらに、その場しのぎに、どうでも良いと思っている女性に こんな風に抱擁しながら謝ったりはしない人だと思う

不器用だから
不器用過ぎるからこそ、この態度に 全部が集約されているのかな…なんて


だから、
何も言えなくなってしまった


私だって、ワガママだった

勝手に塞ぎこんでイジケてたのも事実だし、言いたい事はぶちまけてスッキリした


だから、言えたの
少し長い沈黙の末に、ではあるけど


『困らせて、ごめんなさい』


土方「…………!」


『ずっと…………こうしたかった』


土方「…………あー…」


『呆れた?』


土方「いや………」


『??』


土方「前言撤回だ」


土方「おまえの素直さは………可愛くねぇ事も…ねぇよ…」


『…』ドキッ


抱きすくめられたまま、土方さんの表情すら見られないけど
彼の体温を感じて 息遣いを感じて、守り通したかったモノを思い出した


わだかまって 一人で傷付いていたのが嘘みたい
素直になれずに足掻いていた子供が許しを乞うように、頭を垂れた

そして 幸せだ、と 彼の胸に甘えかけた時
その声が沈黙を破った


音声「条件達成。第一ロック解除」ガチャン


土方「ん?」


『第一ロック…??』




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あきゅろす。
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