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☆銀魂の小説(真選組/長編)
7ー始まりの歌(完)
山崎「副長ーーーー!」



土方「どうしたザキ…慌ただしい」



山崎「帝畿隊長のことでお話があります、今いいですか?」



土方「帝畿仁和?なんだ?どうした」



山崎「このデータを見て下さい」ピラ



土方「プロフィールじゃねーか…
血液型、階級………
ん?出身と生年月日、家族構成が…」



山崎「所々、詳細が抜けているんです」



土方「…攘夷戦争でのゴタつきが理由とかじゃねぇのか?」



山崎「住民票や保険は最近登録された形跡があります」



土方「…」



山崎「万が一、攘夷志士絡みの線だったりとかは…」



土方「その線は薄いだろ、松平のとっつぁんはそこまで耄碌しちゃいねぇさ…」



山崎「あと彼女、着物の着方を知りませんでした」



土方「あ?」



山崎「『必要が無かった』そうです
攘夷志士絡みじゃなくて…
『自分で着付ける必要が無かった』身分の人だったり…そんなわけ無いかなぁ」



土方「えっなにそれ怖い」



山崎「杞憂だったら良いんですけど」







―――道場―――







土方「ここにいたのか、帝畿仁和…ちょっといいか?」



『あ 土方さん、ちょっと待って貰っていいですか』



土方「独り稽古か?」



『私…皆さんの足を引っ張りたくないから、少しでも基礎を復習しようかなって…』



土方「おまえ…刀握った事あまり無いだろ」



『へへへ…さすが土方さん バレちゃいますよね』



土方「なぁ、なんで態々…真選組に入ろうと思ったんだ 武道が得意なら未だしも」



『私…松平氏に恩返しがしたかったんです』



『副長だから…言えますけど私、実は記憶喪失だったんです』



土方「記憶…?」



『覚えてるのは自分の名前と…断片的な映像だけ、
そこを松平氏に拾って貰いました

特殊技能があったので、それを買われて訓練を受け
真選組を奨めて頂いたんです』



土方「特殊技能?
聞いてないぞ、何だそりゃ」



『人の警戒心を弛めたり、満腹感で満たしたり、閉塞感で疲れさせたり出来る能力です』



土方「ええええええ何それ 特に2番目と3番目が地味ィ…」



『意外と役に立つんですよ!
表彰してもらった事件の解決術ですもの』



土方「ええええええ!!その能力で?」ガガーン



『凄く頑張りました』エッヘン



土方「ちょっと…俺に使ってみろ、
そうだな、満腹感の技とやらを」



『いいんですか?』



土方「いいから、ホレ」



『じゃ、じゃあ…エイエーイ!!』



土方「えええそんな掛け声?
ダサ!!地味な上にダサー…ってアレ?え?」


『お腹が膨れてきましたね?』ニヤリ



土方「うそだろおい」プクー



『よーし、強めますよ…エイエーイ』



土方「うわぁぁぁぁぁァァ気持ち悪いもうヤメロぉぉぉぉ」うぇぇぇ



『フフフ…凄いでしょ!』



土方「まあ…凄いとゆーか…何だコレ」



『まあ…そんなこんなで、イロイロ不憫に思った松平氏が私に新たに戸籍の援助や様々な手続きまでしてくれました

凄く良い人ですよね…
期待に応えたいんです…』




土方「………着物が着れねぇらしいな、山崎が心配してたぞ」




『何でなんでしょうね…
医者の話によると、記憶の欠落に関係があるような無いような、よく解らないそうです
って天人とかじゃないですよ!私…』



土方「そうか…」



『たまに、記憶混同型の言語障害みたいになるときもあるみたいなので、その時はご迷惑掛けちゃうかも…スミマセン』





土方「…」






――――――――





多分 大丈夫だ

この女は敵では無いだろう
まだ何か秘めてそうだが…



しばらくは様子を見て良いんじゃねぇか?





『…』




――――――――




ふぅぅぅ
やっぱ 山崎、土方あたりは口出して来やがるか…




とりあえず特殊能力は小出しにしておこう
奥の手は出し惜しみするんだー
まだ 必殺技とかあるもんね




しかしジミーめ
土方ほどではないけど整った顔立ちで好青年風なのに
余計な茶々入れて来るなぁ


土方も油断ならないなぁ

別に悪さを企んでる訳じゃないけど、探りを入れられるのは好きじゃない


もっと味方を作っておくべきかなぁ…










――――後日――――


屯所―昼下り








隊志「副長、局長が見当たりません」



土方「はぁ!?またかよ!おぉい…帝畿!!」



『え』



土方「おまえ近藤さん連れ戻して来い」







―――――――




もう…やだなぁ…
新八ん家か…



まぁ、平日だし万事屋には会わないだろうけど





『スイマセーン、お邪魔しますー志村さーん』



「はーい」



お妙「あら?こんにちは、何か御用ですか」



『スイマセン…こちらに近藤勲はお邪魔しておりませんか…』




近藤「いやぁ お迎えご苦労」
ヌッ


お妙「ヒィ」



『やっぱりこちらでしたか、早く戻って下さい!副長に怒られますよ!』



近藤「えーまだここにいるぅぅー」



お妙「このゴキブリがぁ!」
バキッ ゴリッ ドカッ
ギャー



『…スミマセンお妙さん…いつも局長がご迷惑を、これはつまらないものですが』スッッ



お妙「えっ アラ…わぁ
ナントカ堂の限定ケーキじゃないですか かえって気を使って貰って」



『いえ、いつもいつも本当に申し訳ありません』ペコペコ




近藤「はっはっはっ、しっかりしてるでしょー うちの自慢の新人の 帝畿 仁和です」



『局長がしっかりしてないので
私達 下に支える者共が背筋を張らないといけないんですよー』ぷんぷん




新八「なんか騒がしいなー、誰か来たんで…あー…あなたは…仁和さんでしたよね?こんにちは」



お妙「新ちゃん」



『新八さん、こんにちは』



近藤「えっ?新八君と知り合いなの?仁和」



『ええ、前にちょっと』



新八「銀さんや神楽ちゃんも居ますよ、会って行きます?」



『いえいえ…またこの次にします
一応勤務中なんで…
局長を連れ戻しに来たんです…
さぁ行きますよ、局長!』




近藤「ちぇー」
ズルズル引っ張られ








―――――








『局長…毎回あんなんなんですか?』



近藤「ん?そうだけど」



『ストーカーばっかしてるから嫌われちゃうんですよ』



近藤「人は誰でも愛を求めてさ迷うストーカーよ」




『開き直ってどうするんですか、
そんなんだからお妙さんに鉄拳制裁されるんですよ

局長に足りないのは余裕と色気と清潔感だと思います』



近藤「ええっ そうかなぁ
けっこう物事に動じないし
ケツ毛的フェロモンには自信あるし
ちゃんとあそこ洗ってるし」




『…いや そーゆーのじゃなく』




「動くな!真選組局長!!」




虚をつかれた私は後ろに手を 絡め取られて間抜けな顔をしていたに違いない


攘夷志士である
二人組だった
過激派の様だ


近藤「仁和!」


攘夷志士A「この女は隊士か?ケガさせたくなかったら近藤勲、大人しくしてな」




志士Aの腕の力が強まる
胸が突っ張り少し苦しい



その様に志士Bは下卑た笑みで
「真選組には勿体無ぇ女っぷりじゃねぇか」




刀の頭で下乳を突っつく
下衆だなぁ





志士A「真選組、凌辱とでもいくか?はっはっは」




こんなエロゲなシーンに日常で出くわす経験があるわけなく


「私今 褒められた?」
「今エロフラグ?」
「ヒロインみたいじゃね?」
「近藤さんの前かよ!?NTRみたい!」鼻血ブゥ


などと 狼狽えてしまった








近藤「くっ…その娘を離せ!」



志士「へっへっ 吠えてろ…ん?何か鼻血出してる?んな訳ないか…」






胸元のスカーフが解かれた



あまりのヒロインぽさにクラクラして顔は紅潮してしまうが

こんなモブキャラにツンツンされるのもイライラしてきた



だからと言って近藤勲の眼前で開けっ広げに特殊能力を披露するのも考えものなので




『局長……5秒だけ、
目を閉じていてくれませんか?』




近藤「へ?」




攘夷志士「ぎゃーっはっはっは恥ずかしいからって姉ちゃん、俺達そんな早漏じゃねぇぞ」


ベストが開けられていく




『お願い…です』




近藤「5秒だけだぞ…」




何かしら伝わったようだ
反撃開始といこう




近藤が目を閉じた瞬間、響く咆哮
「エイエーイ!」クワッ





その瞬間





「うっ」
「うぇぇぇ」
「何だコレぐふぅ」
「ぎぼぢわるいィィィィ」






二人の満腹感を限界値に迄 上昇させた為、
轟く嗚咽と悲鳴
その場にのたうち回る




すかさず 全体重を懸けた金的を全員にお見舞いしてあげて 眠らせる、という
えげつない撃退劇を見せつけ チラ見えするブラをそっと隠し、駆け寄る






『局長、大丈夫ですか?』



目を開いた近藤が八の字眉で心配する


近藤「いや おまえこそ…って何したの」



『私はいいんです、局長に何かあったら…私ッッ…』




―私の評価がッッ―と

言いかけたが

局長の胸元のスカーフが口を塞いだ

抱きすくめられたのだ



「あれれー?」と 思考が宙を舞う






近藤「ごめんな…女の子なのに…危ない目に遇わせちゃったな…」




『いや…それを承知で入隊しましたよ?』





近藤「俺が付いていながら…すまねぇ」





『いや ちゃんと私がやっつけたしいいじゃん』



近藤「怖かったよな」



『おまえが怖いわ、聞けよゴリラ』




頭を撫でられている
何やら子供扱いだ





近藤「おとうさん、おまえに何かあったら…ウウッ」




そして話を聞いちゃいねぇ





厚い胸板は本当にゴリラの様で
幼子が父親にでも抱かれているかのような錯覚に陥る

いや、若いからお兄ちゃんくらいだね




少し心地良くなって
ハグセラピーというものが世間にある理由を理解できた気がする



『そういう微笑ましい空気でお妙さんにもアピールすれば上手く行くんじゃないですか?』





クスッと笑って
近藤さんの背中に手を回してポンポンと宥めた






『あ』
『局長…うしろ』





近藤「え?うしろって…」





お妙「こんな公道でセクシャルハラスメントですか?近藤さん」にっこり




近藤「キャーお妙さん!
違いますセクハラじゃなくてこれは」




『(まぁ イチャついてるよりはセクハラのほうがまだ恋の芽を摘まない……
いや同じよーなもんか)』




『セクハラとゆーより茶番劇なんで職務のついでみたいなモンですかねぇ
…とりあえず局長、この転がってるテロリスト片付けましょう』





お妙「あら 含みのある表現だわ
やっぱりセクハラ…
仁和さん、職場のセクハラには速やかな対処が必要よ
何かあったら私にいつでも相談してね」




バキッ ゲシゲシ




『ありがとうございます、お妙さん』




近藤「あああぁぁぁぁ違いますお妙さん!誤解だぁぁぁぁぁぁん」









去って行くお妙さんの背中に叫ぶ哀れなゴリラ

しかし女一人の手ででこの攘夷志士を運べる分けもないので近藤に蹴りを入れる




『局長、気持ちは分かりますが逃げないで
テロリスト捕獲しましょうね』ガスッ






ウワァァァァン
コノゴリラ!










━この世界で強くやっていけるかなぁ━








END

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