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☆銀魂の小説(真選組/長編)
寝言
今日も山崎さんは事務室で書類と奮闘しているみたい
こんな時間なのに薄明かりが灯っている…
報告書作成中かなぁ


……………邪魔はしたくないけど、差し入れを持って行こう


━━━
━━



『お邪魔します…』

そっと呟いて入室する
昼間なら 開いて音のするドアを臆面なく開け閉めできるが この時間は就寝してる人も居るし 遠慮して、事務室に繋がっている資料室を通って来るのだ

遠回りだけど、資料室はドアも開け放してあるし 靴音がそんなに響かない


お盆に乗せたお茶と菓子
部屋を見渡すと━━あ、居た居た


なんだ、作業台を机にして転た寝してる


山崎「zzz」


結構疲れてるみたい…ブランケットも持って来て正解だったかも


お盆を適当な所に置いて、ブランケットを広げる
彼の肩に掛けようとした その時


山崎「うーん…」


あ?起きた?


山崎「あー…うーん…」


あれ…?まだ寝てる?


山崎「もっと…ギュ……して」


ん?


山崎「もっと…強く、あ…そう……あ…」


ん?


山崎「んん…締め付け、そんな、しないで…それは…らめぇ」


らめぇって言った
何?寝惚けてる?夢?


山崎「お願い… 仁和…ン… 」


えっ
私?


山崎「そ、そこ すって…」


!?

そこ、吸って?
そこ、擦って?
そぅ、コスって?

なんて言ったの?

句読点も漢字もわからない!

でもとにかく

コイツ……淫夢を見ている…!?


山崎「んんン…」


ほんのり赤い頬
小刻みに荒い鼻息







ははっ 無い無い………

山崎さんが私とのヤらしい夢なんて
無い無い


山崎「 仁和…… 」


『…っ?』


━━━
━━


━━━━━
山崎の部屋
━━━━━


『と、ゆー訳でね 山崎さん』


山崎「はぁ 何すか…」


『昨日はお疲れ様』


山崎「毛布 羽織らせてくれたのはお礼を言うけど、俺 久しぶりの非番なんだよー もう少し寝かせて下さいよー」


彼は布団で顔を隠して 煩そうに私を視界か、消そうとする


『昨夜 なんの夢見てたの?』

山崎「は?夢?…覚えてないですよー」

『録音してみました。スイッチオン!』

山崎「えっ?」


録音機を再生すると、面食らった表情の彼が 何とも言えない焦り顔になった


━━
━━
━━


山崎「もっと…強く、あ…そう……あ…」

山崎「んん…締め付け、そんな、しないで…それは…らめぇ」

山崎「お願い… 仁和…ン… 」


━━
━━


この録音内容を耳にして 彼はどんどん赤面していくし
僅かに汗ばんだ額が印象的だった


山崎「ひ、人の寝言を録音するなんて!趣味、わわ悪すぎるからね!!」


『だって私の名前呼ばれてるから気になっちゃってー』


山崎「てゆーか、べ、べつにヘンな夢見てた訳じゃないから!た、ただ…仕事で!女装の!着付けの!練習とかしてる夢だから!お、おかしな勘繰りなら止めてよね!」


『勘繰ってなんか無いしィ。つか監察だし、普段はアンタが人にやってる立場でしょ。私にされたくらいでビービー言うな』


山崎「転た寝だから仕事してる時じゃねーし!不可抗力だろォォ!」


『重要書類やファイルを開いて、立派な仕事中でしょー、転た寝なんてしてるほうが悪いんじゃない?』


山崎「あぁぁーもぉぉー!疲れてたんだからしょーがねぇだろ…」


『山崎さん?』


不機嫌になってきた彼の目を やや上目遣いでニヤっと見据え
少しだけ 素で 紅く色付いた耳を見せつける


『私と、そぉゆーコト したいの?』


山崎「…ッッ……」


山崎「…女装の、着付け…なら、たまに一緒にしてるでしょう」


『女装の着付けじゃ、ないコトをしたいのかと思っちゃった』


山崎「 仁和、させてくれるの? 」


彼の眼差しが鋭く細められ 一瞬 真顔になる


『させて あげない』


山崎「…じゃあからかうの辞めてとっとと出て…」


『私がさせて 貰う側だから』


山崎「…!!」


次に、何をするのか読み取れる程のロースピードで
彼の耳輪を噛む

じっくり 下顎に力を加えて
唾液で湿らせて
耳珠を舌で押す

こっからは貴方の顔が見えない

どんな表情をするのだろう
息遣いと 彼の鼓動の響きと
強張る肌が発する匂いだけで 想像するに留めよう


耳から 私の唇を離し、目を合わせたら もういつもの惚けたポーカーフェイス


山崎「…」


言葉を探しているんじゃない、私の出方を見たい
私の真意を知りたいから 黙るんでしょ


私は貴方が どう誘導してくれるかが 見たいのにな



『ツれないな…じゃ、とっとと出て行きますよぅ♪』


山崎「……勃っちゃったんだけど?」


『眠たい山崎さんが勃っちゃうワケないでしょ?』


━パタン━


━━
━━
━━


………あーあ…不毛だな
監察同士って

出直すとしましょう


━━━
━━


━━━
彼目線
━━━


何だよ 仁和のヤツ…

俺がどんな夢 見てたか気付いてるのか?


クソッ
不毛だな……監察同士なんて…

ま、寝言とは言え これ以上 本音がポロポロ漏れても困るよな


end


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