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☆銀魂の小説(真選組/長編)
3―アイマスクとバレンタイン(おまけ/彼目線)
慌てて走り去って行った 仁和は 思いの外つまらない捨て台詞だった


そこが またからかい甲斐のある


彼女の背中を見送り フツフツと笑いが止まらない


なんの事は無い、確かめていただけだ

どれだけ辛辣な言葉を叩きつけたら
哀に満ちた目で俺だけを見詰めてくれるか


俺が傷付けた、その面持ちをじっくり楽しんで
唇の端を舐める行為は
やはり厭らしいものだろう



泣き出しそうな、俺を見詰める視線で
微熱を帯びていく自分の胸の辺り


この正体
いつ 伝えよう


おまえがそんな貌を魅せる度に 手を差し伸べて
抱き寄せたくなる

「嘘だよ」と言って翻弄したくなる

つまらないけど安心させたくなる

その頬を羞恥と期待で染め上げてやりたくなる


そんな変な女


こいつは俺を飽きさせず

くるくる
ころころ
変わる



次はどんな表情になるんでェ?


前にあった 出来事を思い出す

ほら、あン時だ

俺がお前を庇って怪我をして、ダンゴをねだったあン時

二人だけの部屋で、ぶつけた唇は色気もへったくれも無ねぇ代物なんだけどねィ

最近 頻繁に思い出す


なぁ、そんな顔をしてくれるなんて


また
口内で震える舌先
じわりと唾液で潤んでく
苛め甲斐を感じる
ゴクリと喉が鳴る


だけど真摯に笑って魅せよう


胸の奥でじわりとまた何かが潤む


あれ? 仁和、折角 縮まった距離を そんな風にリセットさせるんですかィ
燃えちまいますぜィ


もう少し味わってもいいのか
危なっかしい胸の疼き


次のパーティー(ホワイトデー)までは また退屈しねぇかな?


end




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あきゅろす。
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