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☆銀魂の小説(真選組/長編)
2―アイマスクでとバレンタイン
土方「[いらねぇよ、そんな…]のセリフの続き、聞かせてやれよ」


『?』


そーいえば 近藤さんが お妙さんに吹き飛ばされて降ってきたから、途中でセリフは遮られてたんだ

でも…でも ヒドイし…


土方「大方、[いらねぇよ、そんな義理チョコ、本命チョコにしか興味無い]あたりだろうがよ」


沖田「……」


『えっ なっ』


土方「ったく… 仁和、あとで俺の分の義理チョコ、ちゃんと届けに来いよ」スタスタ


『へ、あ、はい…(要るんだ、チョコ)』


沖田「勘違いすんなよ…土方が欲しがるモンならゴミでも惜しくなるのが人情だからでぃ」


『私の…チョコはゴミ扱いですか』


沖田「……」


『そこまで貴方に嫌われてて、あげられる訳無いでしょ…』


確かに、日頃お世話になってる
迷惑も掛けられてるけど
ピンチには絶対駆けつけてくれるもん

優しさも、頼りになる所も知ってるけど…

今回のはキライになりそう

ツンデレにしても許したくない


沖田「嫌ってなんていやせん」ぐい


『わっ!』


立ち去ろうと 背を向けた瞬間


彼に後ろから抱き締められたのだ

腕の中、すっぽりと閉じ込められて
咄嗟に 頭が真っ白になって
何も反応できなくなる


沖田「すいやせん、イジメ過ぎやした」


耳許に唇を寄せて続ける


「悔しいけど、土方の言ってたのは概ね合ってまさァ」


肩を優しく撫でつける


「素直になりやす」


耳に息が掛かり


「甘いモンに興味は 無ぇ…が、あんたの本命チョコには興味が有りやす」


心臓が跳ねる


「欲しい」


後ろから抱きすくめられて、


「愛想笑いの義理チョコなんていらねぇんでェ」


顔も見えないのに
こんなにドキドキする



「俺が心底欲しいのは…甘い甘い、あんたの心サ…」


極めつけ、頬をぺろりと舐めて


「 仁和 」


名前を呼ばれ
頭が痺れる

このままじゃ、なんて容易い女だろう

ダ…メ!


『総…か、からかわないで…わ、私 傷付いたんだから…』


奮い立たせた抗議のカオで 腕を振りほどき
振り返って睨む



沖田「ごめんなせェ」


『…!!』


あ、謝ッッ…


「からかってなんかいやせん…素直になれなかっただけでェ…」



嗚呼 プライドの高い彼が謝るなんて 冗談でもあまりしない事じゃない?


「仁和…」


ズルいよ

もう太刀打ち出来ない


そしてトドメを刺すかのように、私の手を取ると
何とも言えない、切なげな瞳で上目遣い

手の甲にキスを落とす


『あ、あ、わか、解ったって あげ、あげるから!』


赤面でパニックする私は手提げの紙袋から、
あれだけ総悟には渡すまいと固く心に決めた本命チョコを
手渡してしまった


「ありがとう」


そう微笑んだ総悟は普段の憎まれ小僧っぷりからは信じられない位
キラキラと花の飛んだ王子様スマイルだった


『あ…う…や…』


もう 限界


『ホワイトデー忘れないでよ!』シュバァ!


何とも色気の無い言葉と効果音を残し 走り去ってしまった



何故って…あんなカオ 見慣れて無いもん
免疫も無い
総悟のあんな声も耳に貼り付いて離れない

どうすれば良いか解らない



やだな

明日 どんなカオで会えば良いの?



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