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☆銀魂の小説(真選組/長編)
5―アイマスクで忘却(甘)
『…あれ?』


私のパンチは確かに総悟の頬を穿っている

が、


彼の目は冷静に 私を見詰めていた


沖田「なんで…こんなに…」


『へ?あれ?総…悟…』


沖田『やっぱり俺を そう呼ぶんですねィ』


『あ、間違え…』


沖田「あんたと俺はどんな関係だったんでィ…これじゃ、まるで…」


言葉を並べながら総悟の両手は私の両手を
壁に磔る


『ちょ…』


沖田「あんたなんて、記憶に無いのに…身体が覚えてるみてぇだ」


『…っ』


なんて顔だろう
ドキドキッと 小刻みに胸の奥が揺らされて
強く脈打った


「その匂い、鼻腔の奥に残るんでィ…もっともっと嗅がせろ」


『や、汗かいてるし…お酒飲んだからヤダ…』


沖田「その声…その嫌がる素振り…煽り鳴る、警報みてぇ」


『やめ…てってば!』


沖田「その目で、睨んでも煽るだけだって…何度もあんたに言ってる気がする」


『気のせいだよ!わ…わかった、もう拒否しないから…手ェ痛い、離して?』


沖田「…」


総悟は大人しく、私を押さえ付けていた両手から手を離してくれた


『こ、後悔しない…?(私とキスなんて…)』


凛々しい彼の唇が 耳元 近くで、囁く


沖田「しねぇし、させねぇよ」


私の前髪を撫で


「言っただろィ」


「短小ホーケーで孕ませて、寿退社させてやらァ」


どんなセクハラより 鼓膜が熱く騒いで
胸郭に鼓動が響いてしまう
また、震えた


何、ソレ、反則じゃない?

ちゃんと付き合ってもいないのに…プロポーズみたい…


『…そ、それって…セクハラ?それとも…んむっ』


言い終わらない内に 唇で唇を塞がれてしまった

重ねたままの彼の唇は呟く


「ごちゃごちゃうるせぇ、とっとと俺のモンになっちまぇ」


『ん!』


そして 止まらないキスの嵐

舌のうねりで
滴る唾液

噎せ返るような発熱に何も考えられなくなる


絡み合う吐息、強く抱き締められて苦しいのに
心地好さだけが渦巻く


しかし それは長くは続かなかった


沖田「………ん…?」


『え…?』


彼の様子に気付き 目を見る


沖田「仁和…?」


『え』


そうか、
キスをしたから記憶が…戻ったのか


そう云えばと 思い出して 戸惑う


沖田「こ、こりゃあ…どういう状況でィ…頭が目が…チカチカしやがる」


『記憶が戻る時、一時的に錯乱する事もある…ってやつかな…』


沖田「あァ?」


『そうじゃなくても あんなに酒を飲みまくったんだから…そりゃ頭も痛くなるよ』


沖田「説明しやがれ」


『…皆の所に戻りましょ、そこに居る副長と局長に聞きなさい。
それに勝負の続き しなきゃ』


沖田「勝負……飲み比べ…」


『そうそう、ほら、行くよー』


━━━
━━



隊士「あ、沖田隊長、帝畿隊長、酒が来ましたよ」


『うん、ありがと………あ、副長!』


土方「(どうだ?)」ジェスチャー


『ニヤリ』(親指を立てる)


土方「やったぜ、近藤さん なんとかなったようだ」


近藤「わぁぁぁぁ したの?したの?うはははヤッター」


沖田「なんでィ、土方さんに何のサインでィ?」


『うん、恥ずかしいけど言うね…土方さんと、いろいろ確認のサインとか 話し合って、
ちゃんと月のモノが来たよって意味なの…』


近藤「えっ…おまえら…」


土方「だぁ━━━!!んな訳無ェだろ!てめェ 仁和!!故意に誤解を招いてんじゃねぇぞコノヤロ… 」


沖田「風紀を乱してンなぁ アンタだったのかィ死ね土方コノヤロー」ごごごごごご


土方「バ、バカヤロ そんな訳無ぇだろって!おいコラ性悪女!!撤回しろぉぉぉ!」


『ひーっひっひっ 面白ォォ』ゲラゲラ


山崎「あーあ、沖田隊長も帝畿隊長…超酔っ払ってんじゃん…」ハァ


━━━━
━━━
━━


その飲み比べは チート技を使った私の勝利と相成った


もちろん、乙女の唇を融通した対価として
副長と局長に取り合い、たっぷり有給休暇をせしめた私はとても上機嫌。




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