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☆銀魂の小説(真選組/長編)
1―アイマスクで忘却
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屯所
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山崎「沖田隊長ー 副長がお呼びですよー…………沖田隊長?」


返事が無い

いつも通りサボって寝ている様だが 顔を覗き込むと
彼は発熱していたのだ━━


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土方「総悟!しっかりしろ!」


救急隊員「付き添いの方だけ乗って下さい!」


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その知らせを聞いたのは夕方、任務を終えて局長に報告書を提出しに行った時だった


まさか

殺しても死ななそうなドSのクセに

救急車で運ばれたなんて


そんな驚きと心配が ない交ぜになって軽くパニック状態になった

胸が張り裂けそうとは 正にこれ
居ても立っても居られない

慌てふためく私に、ジミーが勇気付けて 付き添ってくれて なんとか病院に向かった


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病院
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想像とは全然違い、個室には 意識を取り戻し、駄菓子を貪りながら少年マンガを広げているふてぶてしい沖田隊長の姿が目に入った


山崎「沖田隊長!良かった!意識を取り戻したんですね!」


沖田「おう 山崎、俺を搬送してくれたんだってな」


山崎「心臓が止まるかと思いましたよ…寝てるかと思ったら意識が無いし…」


沖田「お陰でこんなに快適に読書も出来らァ」


山崎「…本当に何とも無いんですか?何だか倒れてたとは思えないですね」


沖田「土方の野郎 人をコキ使い過ぎなんでィ、デリケートな俺が耐えられねぇだろうがィ」


『土方さんも心配してましたよ?…でも 本当に顔色も良い…』


沖田「…ああ…お陰様で」


山崎「帝畿隊長も凄く心配してたんですよ、知らせを聞いて青くなったり白くなったり」


沖田「帝畿…隊長?」


『そ、そこまで心配してた訳じゃ…』


山崎「またまたぁ、普段ケンカや口論したりするけど やっぱなんだかんだ、仲良いですもんね」


沖田「普段?ケンカ?…仲…?」


『ジミー、うるさいよ…別に仲良くなんてしてないったら!』


沖田「おいザキ、さっきから何言ってんだ?この女は知り合いか?帝畿隊長って何でィ?」


山崎「!?」『!?』


沖田「俺を担ごうと 吉原のイメクラ嬢でも雇ったんですかィ?」


山崎「沖田隊長…何言っ…」


「それとも、こんな素人ネーチャン 雇うなんざ いよいよ人手不足なんですかねィ」


『総悟…』


「それに何で呼び捨てなんでィ、俺は俺が認めたヤツにしか名前を呼ばせねぇ主義なんですがねィ」


『えっ…私、認められてたんだぁ…なんか照れる!』


山崎「いや、そんな事言ってる場合じゃ…」


沖田「イラッ」


この通り

沖田総悟は私の事を覚えていなかったのだ


━━━
事務室
━━━


『はぁ…何で私だけ忘れてるのかな…』


近藤「総悟は?」


土方「変わりは無ぇ…元気そうだから見回りに行かせた」


山崎「帝畿隊長の記憶だけが無いなんて…奇妙ですね」


土方「総悟の部屋で見つけたんだが、コレは何だと思う?」


『…栄養ドリンクのビン?』


近藤「薬っぽいな」


山崎「これは…最近の事件現場に転がってるモノと同じ…ですか?」


『事件?』


土方「最近、巷を賑わせてるのが [願い事が叶う薬]だの[夢が叶う薬]だの言って怪しげな薬を高値で取引きしている天人の影だ」


近藤「薬で願い事が叶うのか?」


土方「薬飲んで祈願成就なんざ、ンな訳無ぇと思うが、
騙される被害者も多くてな
この薬を口にしたと思われる被害者は 軽度だが記憶障害、機能障害を起こしている」


山崎「…調べてみましょう」


『私にも何か…出来そうなことがあれば声を掛けて下さいね』


土方「…そうだな、午後の見回りはおまえ、総悟と行って来い」


『えっ』


近藤「そうだな、行って来なさい。みんなで写ってる写メとか見せてみたら良いかも知れないぞ」


『は、はい…』



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