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☆銀魂の小説(真選組/長編)
地味にこっそり2
『ジミーねぇ…そーゆー対象じゃないや』


アッサリと否定されて グサリと胸に切なさが突き刺さる


そういえば、俺の事を屯所でジミー呼ばわりする人間は他に居ないし
仁和のジミー呼ばわりは旦那達から来てるんだなぁ

なんて 冷めた思考を巡らせる事で
冷静になろうとした


『細やかな配慮が出来て 色んな人に優しくて 何処にでも溶け込める強さを持ってる、』


なのに


『そんな先輩なだけ』


なんだか 暖かい評価だ

胸の奥がドキン と鳴った


銀時「んんんん?なんか他のヤツと違う雰囲気じゃない?」


『違うくないよ』


『こんな評価でしか無い それだけ』


表情が こちらからは分からない


『あーあ 副長と沖田隊長を足して2で割った顔で
局長みたいなワイルドで包容力のある、
新八君みたいに尽くしてくれて
ジミーみたいな扱い易いイケメン、どっかに転がってないかなー』


銀時「いねぇよ!そんなやつ」


山崎(うん、いねぇよそんなやつ…)



━━━━
━━━
━━


それから、
少し経って 仁和は旦那とちょっと話をして 店を出た


彼女はそんなに酒に強いイメージは無いし、あまり飲まなそうだからな…
何かあったのかな…


そんな考えが頭に過り 何だか心配にもなり、彼女の後を着いて行く事にした


どうせ万事屋の見張りは…どうせまた取り越し苦労だろう、ダイジョブダイジョブ


と、コンビニに立ち寄って…

お菓子とジュース?
もう帰宅するのか?


…あれ


…これ


お、俺の潜伏先のボロアパートじゃん


━━━ピンポーン♪


ベルを鳴らしやがった
本当に俺に用事があるのか
仕方ないな…
戸惑いを隠し、彼女の後ろから声を掛ける


「あれー?何か用事??」


『へ?え ジミー、外出してたの?』


「うん…買い物に行こうとしたら 財布無いのに気付いて、戻って来たんだ」


『あはは、ドジっ子なの?』


「まぁ 入りなよ、散らかってるし何も無い所だけど」


『そうだね、此所で立ち話は…ちょっと、ね』


そうして 彼女を部屋に招き入れた


『うわ…ホントに散らかってる』


「仕事場だもん、仕方ないだろ」


『カワイソ…お菓子買ってきたからコレ食べて元気出しなよ』


「あ、ありがとう」


え 俺のだったの??素直に嬉しいな


『あ!ごめん!あんパン無いや』


「無くてイイよ!」


『張り込みの時はあんパンなんでしょ?好きなんでしょ?』


「好きじゃねーよ」


とりとめの無い会話
だけど いつもと違う服装、やや酔った仕草、何処から突っ込もうか


『副長に言われて、ジミーのサポートをしに来たんだ
変装がてら…どう♪』


「えええ 副長から聞いてないけど…
服装は…まぁ…着こなしがいいね、似合ってるよ」


『えー 聞いてないの?とりあえず頑張って 万事屋に偵察行って来たのにー』


「うん…旦那と飲んでたよね、見ては居たよ」


『収穫は無いよ、つまんない恋話してた』


なんだ、副長に言われたから、仕事の為か


さっきの少し意味深な旦那との話を思い出し
コンビニで買って来てくれた菓子を眺め

ほんのちょっぴりだけど ざわついた期待が収束する


「仁和は旦那とは親しかったっけ?」


『前に チャイナ娘の神楽ちゃんと仲良くなってから、たまに挨拶しに行く位だけどね』


「へぇ…あの旦那と恋話ねぇ…屯所でそんな話、仁和と出来るヤツは居ないだろうから、貴重なトークだっただろうね
旦那、想い人がいるの?」


『居そうだけど…ふふふ、はぐらかされちゃった』


『気になる?今度ジミーも恋話に参加する?』


「ええええっ オレが入っちゃ ダメでしょ」


『たまさん居るよぉ?』


「ええええええ」


たまさん…確かに彼女の事は好きではあるけど…
遠目からでも彼女の姿を何となく見られたら、
今日も笑顔で居られてるんだなぁって思えたら

それで満たされるくらいだから…別に、今のままで良いんだよ

想えば想う程、迷惑になること、知ってるし


もう、そうやって
燃やし尽くした 火の粉散った想いは 燻って燻って
消えてしまえばいい…


時に俺の片隅で
淡く色付く程度の恋…
それでいいんだ


『お見合い、したんでしょ?』


「したけどね…ハハハハ」



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あきゅろす。
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