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☆銀魂の小説(真選組/長編)
5―おにぎりの香り
「おーい 近藤さんは何処行ったー!
…ったく、またかよ…
仁和、いつも通り近藤さんを頼…」


『…はーい…』


土方「いや ダメだ、おいザキ、お前が行ってこい」


山崎「ええええなんで俺が?」


『いや 副長、私行けますって。今暇ありますし』


投げやりに言い放つ
すると彼らしくも無い、とても慌て、かつ動揺しながらだった


土方「解った…じゃあ新たな任務を授けよう」


土方さんはごそごそとポケットから紙キレを出して言った


「ここのカフェのパンケーキをお前の胃袋で満腹になるまで何枚食えるか確かめて来い、早急にだ」


どうやら 食べ放題のチケットらしい


『ええ…1人でですか?何その任務…気遣いにしても、寂しくなっちゃうから要りません』


土方「あああ?!じゃあホラ!!ザキを貸してやる!コイツは甘党だから喜んで着いてくってよぉぉぉ!なぁ!ザキィィィ!?」ギンッ


山崎「ヒィィィ行きます行きます!喜んでぇぇぇぇ!」ビックゥ


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土方目線
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はぁ
何故俺が ここまでやってやんなきゃ行けないんだ
副長としての務めか
割には合わねぇ


新八「あ…土方さん、こんにちは」


土方「近藤さんを連れ戻しに来たんだが…」


そこまで口にした所で野太い女の怒号が響いた

同時に
志村家の屋根に弧を描いてこちらに落下してくる我らが大将


ん……俺が女なら…確かにちょっとな…いや 言うまい


土方「全く…飽きもせずよくやる」


近藤「ははは トシ 今日暇だったの?お前が来るの珍しいね」


土方「暇な訳あるか。誰かさんのおかげで てんてこ舞いだぜ…ったく!」


近藤「いや いつもは仁和が来てくれるから 何かあったのかなーって」


土方「…」


近藤「昨日さ…俺、とっつぁん所から屯所に戻ったんだ…よく、覚えてはいないけど、何か 誰かと約束してたような…特に約束なんてしてなかったような…」


「で…凄く可愛い女の子と会った………ような、とてもキレイな夢を見ていたみたいでさ」


「けど、目覚めたら 仁和の部屋で寝てたんだよ」


土方「………とっつぁんと昼間っから酒飲んでたのかよ」


近藤「いや…シラフだとは思うんだけど…飲んだのかな?」


「何故か俺、片手に酒瓶、もう片方の手に仁和の…シャツを握ってたんだよね」


土方「………は…?」


近藤「いや、変な事はしてないと思う!!だけどだけど!覚えてないってヤバくない!?女性従業員の部屋に勝手に入ってって何してんのって感じでさ!記憶に無いし!怖いよね!?」


土方(ヘッタクソな隠蔽工作しやがって…仁和のヤロー…ウソ下手とかそんなレベルじゃねぇぇぇぇぇ しかも別の誤解を生んでんだけどぉぉぉ)


近藤「俺、大丈夫かなぁ…病院とか行ったほうがいいのかなぁ?」


土方「い、いや まぁ…そのなんだ」


近藤「…でも良い夢だったんだ…甘くて…切ない…ちょっとその女の子、仁和に似てたみたいで…」


何てカオで笑うんだよ…
待てよ
近藤さん アンタ…


土方「…お妙さんはどうしたんだよ」


近藤「んー…どうしたんだろうな…以前の俺なら、跡を着けてはドキドキ、忍び込んではドキドキ、覗いてはドキドキ、どつかれてはドキドキしてたんだけど」


近藤「なんか…前ほど…ドキドキしないみたいでさ」


土方(なんだよ…それ)


土方「そりゃ…恋だろ」


近藤「ええええ!?前ほどドキドキしてないのに!?」


土方「そうじゃねぇよ……えーっと」


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山崎「あの…まだ食べるんで?」


『…何よ ジミーも食べなよ、折角のタダ券だよ?甘いモン好きでしょ?アンパン男が』モグモグ


山崎「好きじゃねーよ、そもそもアンパンとパンケーキじゃ全然違うし…」


『そんなんだからモテないんだよ、ジミー、ダメだね ジミー…ホント ダメだ、ジミー』


山崎「何度もダメだダメだ言うなよ!言っとくけど 実際そんなダメじゃないからね!」


『いや もうその弁解がダメだよ、終わってる』


山崎「取りつくシマ無しかよ!ドSか パンケーキ女ァァァ」


『ドSなら…良かった…』


『もっとウテウテで…心なんて痛まなかったんだろうな』ボソ


山崎「…」


『ずっと…好きだった人だけど、さ
薬の所為でこっち向いてくれても…いつか消えてしまう紛い物なら…』


山崎「薬の所為で……仁和を好きになって、それで育んだ気持ちは 紛い物になるの?」


『…え?』


山崎「確かに強力な愛の薬さ、愛染香は
でも それくらいブチ込んで お妙さんから意識を遠ざけなければ、
局長の視野は超狭いんだから
仁和には気付いてくれないと思うよ?」


『…』


山崎「ホントにお妙さんしか目に入らないのならば、あんな香の効果 とっとと打ち消す事が出来るでしょ
あの思い込みの激しいゴリラなら、彼の精神力 知ってるでしょう?」


「でも それをしなかった、彼は仁和との時間を受け入れたんだ
仁和が入り込む余地はあったんだよ」


『…』


山崎「そっから、始まったでしょ
始まりからは 何が育った?」


山崎「絆は育たなかったかい?
そうかな…
仕事を終えて仁和と寛ぐ時間、皆を交えて仁和と笑い合う仕事、どれも とても潤っているように見えたよ…
少なくとも俺の目には」


山崎「薬の効果なんか、振り向いて貰うキッカケだと思えば良い
そもそも事故じゃないか」


『…』


山崎「仁和はマジメ過ぎるよ……まぁ そこが長所であり短所であり、
局長が好きになった仁和なんだろうけどね」


『…ジミー…』


山崎「この先輩、優秀監察官 山崎を信じなさい」


『あり…がと』


山崎「うん、ほら 行ってらっしゃい」


『うん…ありがとー!』


ジミーを置いて 私は走り出した
近藤さんに やっぱり伝えたい事がある



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