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☆銀魂の小説(真選組/長編)
4―おにぎりの香り
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土方目線
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縁側で茶を啜りながらそよ風に目を細めるその頭にはアイマスクが乗っていた

こいつは既に今日3回目の休憩中である


沖田「どうですかィ 近藤さんは?」


土方「微塵もサボる素振りを見せねぇ」


沖田「もうこのまま仁和とくっついちまったほうが平和なんじゃねぇんですかァ?」


土方「………」


そうかもな、そう 聞こえるか聞こえないかの声で呟いた


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ヒロイン目線
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今日は非番だった

大した用事も無い


部屋をキレイにキレイに片付けて

午後を待てば良い

そんな日


近藤「仁和ー 入るよー」


『おかえりなさい、松平公はお元気でした?』


近藤「相変わらずかなー…って、どうしたの?随分可愛い格好して!あ、何か約束してたっけ?!」


『してないよ そんなに…誉めてくれるの?』


近藤「うん…だってホントに可愛い…そうだ!じゃあこれから御出掛けしない?俺ももう今日は仕事 終わったし、デートデート!!」


『…優しいんだね』


嗚呼 本当に こーゆーとこ 大好き


装いを誉めてくれて

折角のおめかしだからと 計らってくれる

大事にしてくれる


『近藤さん…』ぎゅっ


近藤「えっ わっ…」


確かに割合 着飾った
これが 最後だから

貴方が私を好きになってくれた、最後の日
最後 にしよう


その成りで 隊服のままの貴方の胸元に頬を寄せる


近藤「どどどどどうしたの?はぅっ胸が…当たって…」ドキドキ


『帰宅後 すぐに この部屋に 私に会いに来てくれたんだね 着替える間も惜しんで…』


近藤「そ そりゃ…一刻も早く仁和に会いたいから…」ドキドキ


『そーゆーとこ 大好き』


近藤「え ははは 何だよテレるなぁ」


崩れないように 気を使い 髪を撫でてくれる大きな手


『この手も大好き』


近藤「仁和…?何だ?俺と付き合ってくれる気にでもなったの?」


『フフフ、今も昔も変わってなんかいないよ 私はずっと前から近藤さんが大好きだよ』


真っ直ぐに その長身を見上げ 抱き締め続ける

強く、強く この身に刻む様に


少し いつもと違う雰囲気に気付いたのか、近藤さんの瞳の奥も 普段と様子を変える


近藤「…じゃあ…もう、逸そ 結婚してくれよ」


数秒 フリーズして、言われた言葉の意味に心音が跳ね上がり お互いに耳が赤くなる

冗談めかして言ったセリフだけど 貴方は本気なんだろうな


真っ直ぐな人だから


『…そのセリフはホントに大事な時の為に取っておきなさい』


近藤「今言わなくていつ言う…
お前がこんなに素直になってくれた、この時に言わなくて?他に大事な時が見当たらねぇ…」


真っ直ぐ、真っ直ぐ真っ直ぐ
ひたすら情熱的な眼差しに 私の心にも火が宿る

吹き消さないといけない熱なのに


近藤「返事…今すぐじゃなくても良い…いつまででも待つから」


『そんなに待たせませんよ…』


近藤「!仁和…ん…」


これが最初で最後のキス


甘い花の香りが貴方を誘う


さぁ

この恋を忘れる時ですよ


『もうお休みなさい…』


近藤「…!仁和!?」ガクッ


やっと…愛断香の煙が 効果を発揮する程度に充満した…


唇に潜ませた眠り薬も 即効性があるもの


これらは、つっきーに渡された物だ


ここで暫く この香りに洗われたら 紛い物の恋心は消えるでしょう


近藤「…仁和…………」


「……………」


張り付けた 笑顔を漸く解ける

貴方には 微笑んでいたいの

いつも、その笑顔で勇気付けてくれたから
最後も 笑顔で飾りたいの


惑わせて ごめんね


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よし…あとは このまま部屋を出て放っておけばいいだけ…


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襖を開けて 部屋を出ると 土方さんが立っていた


土方「…ホントにいいのかよ」


『…立ち聞き?悪趣味
それに愛染香に犯された局長なんて…って、土方さんが一番心配してたクセに』


土方「またお妙さんお妙さんて…うるせぇけどな…おまえが辛くなるぞ?」


『…もう辛いよ…』


土方「…」


『…それ、ちょうだいよ………』


土方「あ?タバコか?吸わねぇだろ…」


構わず 土方さんが咥えてるタバコを引ったくる

ヤケっぱちで 思い切り吸ってやった


『ゲーホがほがほゲホゲホ』


土方「………」


何も言わずに背中を擦って トントンとあやすように軽く叩いてくれる


『ニコチンなんて、ヴェホぅビュッぼぇッホエッホ、毒じゃん!!げほげほ、こんなん毎日吸って、土方さん 死ぬんじゃない?』


土方「ああ…」(バカが 無理しやがって)


土方「お前が無茶するからだ」(そんなナリ迄して…)


(知ってんだよ、お前が部屋を去り際 暫く近藤さんに膝枕して 抱き締めていた事は…)


(下手っクソ過ぎる嘘は、似合わねーんだよ)



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