☆銀魂の小説(真選組/長編) 3―おにぎりの香り 土方「どうだい、近藤さん…仁和 はちゃんと補佐を務められているか?」 近藤「おお トシ!うん…実はさー 告白したんだけど…」かくかくしかじか 土方「…好きで居続けられたら、ねぇ」 近藤「今まで鈍い俺が この恋に気付かなかったのが悪いんだ…仁和が了承してくれる時、俺達の清い交際は始まるんだ」 沖田「へぇ…つまり今は恋人未満、友達以上って事ですかねィ?」 近藤「な、なんか月9ドラマみたいだな!」ワクワク 沖田「恋のお試し期間ですかィ…仁和も何様だか罪な女ですねィ」 近藤「おお!恋愛ドラマの主人公を 俺は今まさに 演じ切れてるってことか…ちょっとテレるなぁ」ワクワク 土方「総悟…てめぇは大きめのボリュームで 近藤さんを焚き付けてんじゃねぇよ 他の奴らに聞こえても風紀が乱れんだから大概にしとけよ」 沖田「いーじゃないですかィ、あのキャバ嬢に入れあげてるよりは 近藤さんも仕事やってくれそうですぜ?」 「それに腐っても隊士とはいえオンナ、近藤さんが本気モードになった今 モブ共の恋愛標的から逸らしておくのは大事じゃないですかァ」 土方「…ほどほどにしておけよ」 ━━━━━ ━━━━ ━━━ 隊士「なぁ聞いたか、帝畿隊長と近藤さんの話」 隊士「恋のお試し期間だって?ちゃんと交際はしてねぇとか…」 隊士「あのキャバ嬢は遂に諦めたかー まぁその方が賢いと思うぜ」 隊士「ちゃんと交際しちゃったら結婚前提とか暑苦しいからかな」 隊士「カァー 帝畿隊長、やり手だなぁ」 ヒソヒソ 朝 食堂に行ったら 早速こんな話ですか、そうですか… みんな好き放題言いやがって ヒソヒソって擬音のわりに 筒抜けだからね ああああ居心地悪い どーせ 近藤さんが土方さんに相談とかして 横で聞いてた沖田さんが面白がって吹聴して…とかそんな流れなんでしょ 近藤「べきしっ!」 沖田「へくしっ!」 土方「なんだ二人して?風邪か?」 怪しいくしゃみであの三人の位置が解った …図星かな… ホントにもう ━━━━ ━━━ ━━ その日から 私の仕事は少し内容を変更させられた 局長が会合や幹部会、出張等で不在の時以外は 一緒に仕事をする時間が増えたのだ 近藤さんが書類整理等の事務室にいる時は 私も事務、経理 近藤さんが見回り等 外出する時は 私も付き添い、表向きは警護という形で組まされるようになった(あれ 職権乱用?) する事が少し増えて早起きの時間がちょっとだけ怠い 副長への報告と 指示を仰ぐ手間も少々… だけど胸は弾んでいる 悔しいかな やっぱり 私は近藤さんと過ごせる時間が増えて 本当はとても 嬉しいみたい ━━━━ ━━━ ━━ 近藤「さて 午後も異常無し、と」 パトカーでの見回りはかなり楽 ハンドルは近藤さんが握ってくれているから …気遣ってくれる所とか、やっぱり優しいんだよね その状況も相まって近藤さんのテンションは ドライブデートみたいな勢いだったりすることもしばしば 近藤「ねえねえ、カフェ寄ってかない?三丁目に新しいトコ出来たらしいよ」 『い、今…勤務中ですよ…ケーキセットがあるなら 仕方ないですけど…』 近藤「あるある、もう下調べは済んでるよー」 『仕方ないですなぁ!土方さんに見つからない奥の席に座りましょうか』ワクワク ━━━━ ━━━ ━━ 事務仕事も ちょいちょいパソコンをいじったりしながら 皆にお茶を出せば良いので平和だ 『局長、お茶です』 近藤「おう ありがとう」 「うん、ウマイ!ザキが入れてくれるヤツの5倍はウマイ! 原田「そりゃザキが入れてくれるのよりはウマイですよ、女子ですもん」 『いや 山崎さんが入れてるのと同じ、いつものティーバッグですよ』 近藤「そうかなぁ…じゃあさ仁和、手をお茶に こう翳して [美味しくなぁれ美味しくなぁれにゃん]ってやってよ」 『は?えっ?』 原田「えっ いいな何それ!俺も俺も!」 隊士「いーなー俺も俺も」 隊士「俺も俺も」 隊士「俺も俺も」 『そ、それ メイドさん的な……??』 土方「おまえら仕事しろ」 ━━━━ ━━━ ━━ 楽しい…近藤さんと過ごせる時間が幸せだ だけど 香の効果が消えたら この日常も無くなる 元の 真選組に戻るから… 現状に慣れたらダメだ 元に戻った時、辛すぎる… これ以上、近藤さんのことも好きになっちゃダメ ダメなんだってば……… 毎日 眠る前に 自分にこうして釘を刺す 失う怖さに押し潰されないように… 1人きりになったら 薄暗い部屋で 月に祈りながら だけど 思いの外 この生活は長続きしなかったのだ ━カタン 『…誰?』 月詠「待たせたな…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |