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☆銀魂の小説(真選組/長編)
3―ジョロキアの傷
あれから2日経った


病院に運ばれて命に別状が無いと診断されたとは言え、天人の刀を受けた傷だ
屯所で少しの間 療養する事になった沖田の事はずっと気になっていた


この前の沖田、全然私を責めないんだもん
いつもと違って毒付いて来ないから調子が狂う


あと 庇ってくれたのに
ちゃんとお礼が言えてない…
仕事の割り振りの都合で会えて無い…


―「あんたが肩肘張って気取ってる顔より
気ィ抜いて見せてるアホみてェな狸面の方が取っ付き易いんじゃないですかィ」―



だってそのほうが楽じゃん…


―「男所帯で、女一匹と来ちゃあ、何か装ってたくなるキモチも解らなくもないですがねェ」―


だってだって…


変にさらけ出すの 性に合わないんだもん
厄介な事は…言わないでいるほうが 面倒じゃないじゃん


なんて…本人を目の前に言い訳すら出来ない
最近色んな勇気が無い

あーあ…
なんかこの流れ、良くないな


ヒロインとしてどーよ 変なフラグ回収してうっかり死ぬかも


少しは可愛げのある姿勢を見せたほうが良いんだろうか

よし、そうしようか
さて、どうしようか


近藤には…そんな相談した所でどうなるか想像できるしなぁ

なんかアドバイスをくれる人…………


━━━
━━



土方「…で 俺んとこに来たのか」


『はい』


土方「アホらし
素直にケーキにハバネロ添えて『ありがとう』で良いじゃねぇか」


『もっとストレートで格好ついてスマートなの無いんですか?フォロ方さん』


土方「誰がフォロ方さんだ!贅沢言ってんじゃねーよ!てかオメー何でそれ知ってるの?」


『ブゥゥゥブヒ』


土方「膨れるなら もう少し可愛くやらねぇか、豚か
?それ豚だよねぇ?」


『失礼な、私はいつでも可愛いから大丈夫』


土方「ったく…言ってろ。礼ねぇ…」



壁を作ったり、そうかと思えば こんな相談を持ち掛けてくる

変な女だ、と呟いて 鬼の副長は疲れ気味にタバコをくわえた


━━━
━━


━━━
彼目線
━━━


俺はあの時、あいつを庇った


いつもならあんな下手な手の出し方、そうそう しねぇハズなんだが


まぁ…あーゆー時は咄嗟に動いちまうモンだ
詮方無い


どうかしてるな

まぁ 浪人共が妖刀を持ってたってのがイレギュラーだしな

ケガは俺自身の不注意だ…


自室で着流しのまま 包帯を巻いた腕を見つめる


その時


「すいませーん 総悟隊長いますかー」


襖の向こうから仁和の声がした


沖田「入りなせェ」


『…傷の御加減どうですか?』


沖田「大したことねェけど、か弱いあんたを守ってケガしたつったら近藤さんが休みをくれたんでィ」


『私の油断なのに総悟に…その…怪我をさせてしまってご免なさい』


『あの…お口に合うか分からないけどコレ…』


仁和はしおらしくとケーキの箱を差し出した

こんな表情のコイツは初めて見た

おずおずと俺の様子を伺い、下手に出て…

意外な一面を目にして 悪い虫が騒いじまった


沖田「…食べさせて下せェ」


『へ』


沖田「片手じゃ食い辛くていけねぇや、ほれ アーン」

自分の口を指差して いつもの顔で催促する


『えっ あのっ』


沖田「何でぇ、俺に持ってきてくれたんじゃねぇのかよ?」


『いえ…鼻毛出てるよ?』


沖田「」


『うそうそ、冗談だよ ほらアーン』


沖田「ちょっと待て、このショートケーキ…」


「上のは苺じゃなくてハバネロじゃねぇか」


『違います、ジョロキアです』


沖田「俺を殺す気か、死ね サディスト」


『おまえ程サディストじゃないし。
副長が「ケーキにハバネロ添えて」渡したら良いって言ってたからですよ』


沖田「アァン土方んノヤロー」

「俺は辛党じゃねぇ」

「普通のを食わせやがれ」


『チェ はいアーン』


パクもぐもぐ


『アーン』


パクもぐ


『プッ 口の端が小汚いですよ』


沖田「とっとと拭き取るか舐め取るかして下せぇ」


『あーん?こちとら総悟隊長の女中じゃねーんですけど』


沖田「誰のせいでこんな不自由を…」


『あーハイハイ』


ぐりぐり


『はいキレイキレイ』


沖田「色気が無ぇなぁ」


『局長のパンツででも拭いてやろうか?』


沖田「本当に色気が無ぇ」



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あきゅろす。
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