ゾンゼロ長編
005
side:栄華
「アーンゴクーーン!」
教室のドアのとこから声を張り上げたら…釣れた釣れた、仏頂面一丁。
「うぇ」「おや」
ニューフェイス二人の反応を受けて、静まり返った教室はまた沸き始める。
このクラスはいつもにぎやかすぎるくらい元気で。
おまけに転校生もいてるから、なおさら騒がしくて、めんどくさいから声を使った。
「なっ…んで、自分がここに居んねん!」
「ん?旧知なのか?先生はここにお勤めなんだ」
「…っ…」
前須藤先生がすかさず言わはる。
「せんせ、ちょっと安吾クン借りてもいいですか?」
「ええ、いま放課したところなんでご自由にどうぞ」
「助かります、おおきに♪」
「待って、先生、何勝手なこと言うてまんねん!」
「ええからはよ来よし」
「笑顔怖いで」
「先生も待っていらっしゃることだ、来たまえ」
半ば強引に安吾クンを連れて教室から出る。
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