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ゾンゼロ長編
002



安吾クンと九浄クンが別れた地点からだいぶ離れたところに、それはいた。
爪を光らせ、無暗に吠え立てる、大きな窮奇。
それに続く、翼を持った魔物が2匹。

   結 界  
「逢魔ヶ刻商店街の端っこで何やってんねやろ、こいつら。けど…」

地上に降り立ち、戦闘態勢に姿を変えた。

こいつら…奇妙な気配がする。
ただの窮奇なのに。
普通の魔物とは違う邪悪な雰囲気が漂って、うちを緊張させた。
でも…何の意図もなく、ただ本能というか、体のしたいままに暴れとるようにも見える。

やはり、私の考えは当たってたみたいで。
私を見つけるや否や、牙を見せて走りかかって来た。
向こうも、私が人間とか、タダの生き物とは違うことを感じ取ったんだろう。



正に、異常。



救援を呼ぼうか一瞬迷ったけれど、時間の問題もある、こうなればもう戦わざるを得ない。
それに、他に隠れている輩もおらんとも限らない。


それに…てこずらないやろ。
先ほど感じた違和感も残るのに、何故か気持ちに余裕があった。



そうと決めれば。
うちは指先に神経を集めた。
そしてその間、羽を使ってあとずさり、窮奇が商店街から出ないようにこちらへおびき寄せる。
一般市民を巻込む騒ぎには、死んでもしたらあかん。


右の手のひらに風が吹いたのが分かった。



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あきゅろす。
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