六道骸VS白蘭
ヒュパッ
私が医務室に行くと、そこには沢田・ビアンキ・リボーンと激しく吐血した凪ちゃんがいた。
「っ、凛奈さん!!」
「…これ、どういうこと!?」
「内臓が失われてるのよ!!」
「骸君の幻覚で作られていたものね。…あの馬鹿、……骸君は白蘭と戦って重症みたいよ。」
『!?』
「ちっ…とにかくどきなさいっ!!!」
「カハッ」
砕け散った三叉槍と今までで1番激しく吐血した凪ちゃん。
…もう少しこっちのことも考えなさいよ、あのパイナップルが……っ
するといきなり開いた扉から入ってきたヒバリ。
「ヒバリさん!」
「邪魔だよ」
「何の用でここに来たの」
「死んでもらっては困る、凛奈、キミもそうなんだろ。」
「…えぇ、決まってるじゃない。」
「君の闇と霧の炎と彼女のボンゴレリングを使って、幻覚で内臓を作る。
確か、彼は僕たちの計画を知らないはずだよね。」
「……えぇ、だからこんな無茶をしたはずよ。」
「……まぁ、すぐにやってよ」
「わかってるわよ。…凪ちゃんも、聞こえたわね。私の闇と霧の混ざった炎とあなたの炎を使って、内臓を作る。
絶対骸君なら無事だから、あなたもがんばるのよ。」
そう言って、私は自分のボンゴレリングに2つの炎を灯し、幻覚を作り出した……
***
ウイイィ
私が沢田たちのもとに行くと草壁が幻覚のことを話していた。
「骸の行動については我々よりも、ヴァリアーにいた笹川氏や、ボンゴレ本部やキャバッローネにいた凛奈さんの方が詳しいのでは?」
「骸からヴァリアーへの指示は一方的なものだったと聞いている。オレはその指示を信じ、行動したが骸がどこで何をしているのかはわからんのだ」
「…私も笹川と似たようなものよ。たまにいきなり私の脳に骸君の思念波が送られてくるくらい。…そして先ほど、
『白蘭は…危険すぎますね……クフフ、少し無茶をしすぎてしまったようですね…クロームを頼みます…』とのことよ。だから私はすぐに凪ちゃ…クロームのところに向かったのよ。
2人のことは、最悪の事態も考えておきなさい。」
「!! そんなぁ!!」
「ちっ 10代目! あのしぶとい骸です。まだわかりませんって」
「だが5日後にクロームは戦えそうにないな」
「…痛いな」
「…ちっ、あのパイナップル……っ」
「心配するな クロームの不足分はオレが補う。」
「!!」
「ダメよ。」
驚く沢田と、ラルの言葉にすぐさま反対した私。
補う…そんなのその体で無理に決まってるじゃない
なりそこないとはいえ、外に出ればアルコバレーノはただの足手まといにしかならない。
リボーンも同じことを思ったのか
「そんなこと任せられるわけねーだろ。 お前今座ってんのもしんどそーじゃねーか」
「あなたもなりそこないとはいえアルコバレーノ、…そんな状態で行けば足手まといになり全滅するわよ。」
「ラル、無理すんな。顔を見ればお前の体調ぐらいわかる。お前の体は非73線を浴びすぎてボロボロなんだろ?」
「!?(非73線って前に凛奈さんの言ってた…)」
「黙れ! 過去から来たお前に何がわかる! それに凛奈だって同じだろう!!」
「オレだって地上に充満している非73線を肌で感じたんだ。 お前のやろうとしていることの無謀さぐらいわかるぞ。」
「…私も、アルコバレーノの端くれであるから非73線を浴びるとさすがにきつい。 でも、あなたほど無謀ではないわ。 私は、周りに闇の炎を放射してその上室内では対策用の布で作った服、屋外ではその上から同じ素材の布で作ったマントを着用している。
そこまでしなきゃならないほどにやばいってことぐらい、あなたにならわかるんじゃないの?」
「……っ、非73線を放出しているのはミルフィオーレだ!! 奴らを倒さなければこの世界は正常には戻らない!!」
怒鳴りながら言うラルに驚くみんな。
…ラルの言うことも一理あることぐらい私にだってわかる。
でもミルフィオーレが関係しているという決定打はない。
それは、ジャンニーニや草壁も同じようだ。
だが、ラルは納得せず…
「いや!! 奴らの仕業だ!! コロネロもバイパーもスカルも…奴らに殺されたんだ!!」
「いい加減にしなさい!!!」
パチンッ!!
怒鳴り続けているラルの頬を叩く私、感情的になってもだめなのはラルだって知っているはずなのに…っ
「そんなにわめいていたってどうにもならないじゃない!! 頭を冷やしたらどうなの!? 私の体だって闇の炎を放射したりするまでに大量の非73線を浴びたせいでボロボロよ!! でも、だからってそこまで聞き分けがなくなったりはしないわ!!!」
「ぐっ」
私がひとしきり怒鳴り終えるた瞬間、倒れたラル。
心配する皆を怒鳴りつけていた。
「沢田…5日後だか…」
作戦について切り出した笹川。
「これだけ戦力に悪条件がそろってはおまえが何というか見当がつく…作戦中止は俺が上に伝えに行こう。」
「ただの貧血だ!!」
「ラルっ!! あんたまだそんなこと……っ!!」
「無理するなラル……」
「いえ、やりましょう。」
『!?』
、沢田?
これだけの悪条件にもかかわらず、決行すると決めた沢田に皆が驚いた。
「敵のアジトに行けば過去に戻ることだけじゃなくって骸の手がかりも何かつかめると思うんです。 それに、そのノントゥリニセッテのこともわかるかもしれないし…
……………でも、どっちもゆっくりしていると手遅れになっちゃう気がして」
「うむ」
「沢田…」
「それにやっぱりオレ…こんな状況に一秒でも長くいて欲しくないんだ
並盛の仲間はもちろんだし、クロームやラル・ミルチに凛奈さんだって……………こんな状況全然似合わないよ!!」
……沢田…
………そろそろ、言うべきなのかもしれないわね…私に、ついて……
「えと…あのっ オレはそんな感じです……けど…」
「よく言ったぞ! 男だ沢田!!」
「………ガキが」
「とにかく………5日しか時間がない。一刻も無駄にはできないぞ。」
「はい!!」
「だな!!」
「…あのさ、やる気になったとこ悪いんだけど、今から時間少しくれないかしら?
私について話す約束、あったじゃない。それ、今からでいいかしら?」
私は顔のあざを隠すように手をそえながら、近くにあったイスを浮かばせて、
「いいでしょう? ねっ?」
ばきん!!
イスを破壊した…
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