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たまごアイス

―あいつの思考回路が理解出来ない。
倉持は割り当てられた自分の部屋、詳しくは三人部屋で一人胡座を掻き腕を組んだ体勢でしかめっ面を浮かべていた。
事の始まりは御幸が渡してきた一つのメモ。

「倉持倉持、新しい遊び思いついた。俺がこれ食べ始めたら読んで」

御幸が手に持っているのはたまごアイスと呼ばれる物。
倉持は素直に御幸の言う事を聞き、相手が食べ始めるのを待ってから渡されたメモを開き、中に書かれている内容を読む。

『倉持くんへ
今日はこんな感じでフェラくらいしてあげようと思うのですがいかがでしょう?』

「………」

無言の侭御幸の方へと視線を向ければ一生懸命にたまごアイスを頬張る姿が目に入る。
食べにくいのか、口端からは溶けてしまったアイスが付着し、そこから僅かに伝い落ちそうである。
その光景に思わず拳を作りそのアイスを殴る。
御幸の顔にアイスが飛び散るが倉持はそれ処ではなかった。
御幸に背中を向け走り出し、真っ直ぐ部屋へと向かう。
そして今に至る。

「…だって、アレはねぇだろ…」

深い溜息をつき、頭を掻く。

―あいつ、本当はバカなんじゃね。
―つーかいきなりなんだよ、遊びって。
―遊びっつー表現が自体面白くねぇ。

考えれば考える程倉持のテンションは下がる一方で、むしろ怒りが湧いてくる程だった。

「あー…何かムカつく」

胡座を掻くのを止め、仰向けに寝転がる。
同時に考えるのも止める事にし、その侭寝てしまおうと瞳を閉じた時だった。
ノック音が響き、次いで御幸の声が聞こえてきたのは。

「…倉持ー?」
「…あ?」
「あ、居た。入るぜ」

返答など待つ隙与えず、ドアが開き御幸が入ってくる。
先程のが脳内を過ぎり、倉持は御幸を直視出来なかった。
そんな倉持の脇に腰を下ろし、顔を覗き込む。

「…倉持。さっきの、割と本気なんだよね、俺」
「…っ、お前、馬鹿じゃねぇのか」
「倉持だから出来るっつってんの」

ほら、と伸ばしてくるうでに掴まれば簡単に上体を起こされる。
その侭ベットの端に体を預ける体勢に移動させられ、戸惑いと混乱が頭の中で混ざり身動きが取れない倉持を前に御幸は着々と準備をしていく。
足を左右に広げ、間に自分の体を滑り込ませる。
四つん這いに近い体勢になれば目の前にくるのは倉持の股間。
笑みを浮かべ、ズボンに手をかければ慣れた手付きでファスナーを下ろし中から倉持自身を取り出す。
そして竿を軽めに数回扱いた後躊躇する事なく先端を口に含んだ。

「…っ」
「…ん」

口内の温かさと舌の動きに、倉持は眉を顰める。
それは久しぶりの感覚で、倉持自身からは直ぐに先走りが溢れ出る。
その様子を一瞥し、御幸は気分が良くなったのか動きを激しくさせた。
舌先で雁を舐め上げ、音を立てて先走りを吸い上げる。
その侭限界まで咥え込み、唇を窄めれば頭を動かす。

「…っ、く…っ」
「倉持、気持ち良い…?」
「バ、カ…!その状態でしゃべんな…!」
「…ふっ、ン…っ!?」

思わず両手で御幸の頭を押さえつけ発言を阻止する。
しかし咄嗟にやったその行為は御幸にとってはもっと、と言っているようにしか捉えられず、嬉しそうに目を細めれば口淫を再開させた。
繰り返されるその動きに倉持は次第に限界を感じ始め、御幸の頭を押さえている手の力が自然と強くなっていく。

「…っ、みゆ、き…もう…っ」
「ん、ン…っ、ふ…っ」
「は、なせ…って…!」

倉持の言葉に御幸は静かに左右に頭を振り、ラストスパートとばかりに強く吸い上げた。
瞬間、倉持の頭の中が真っ白になり、腰を僅かに浮かせれば御幸の口内に精液を放った。
御幸は僅かに苦しそうにするも、ゆっくりとそれを飲み込んでいく。
全て飲み干せば倉持自身から口を離し、笑みを倉持に向ける。
その様子を半ば放心状態で、しかし信じられないといった表情で眺めていた倉持が我に返ると御幸に手を伸ばし、胸倉を掴んだ。

「マジ信じらんねぇ…てめぇ正気かよ?」
「正気じゃなきゃこんな事出来ないだろ。…それに言ったろ?倉持だからだって」
「お前…っ」
「なぁ、それよりさ…続き、シたくねぇ?」
「…っ」

御幸のその妖艶な笑みに倉持は心の中で舌打ちをしつつベッドへと御幸を押し倒せば、体を重ねた。


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フォロワーさんがたまごアイスネタで漫画上げてたのでその続きの妄想を!
許可は得てます。大変美味しいネタでした、ありがとうございました///



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