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◇hnmz
6.(sideS)



水谷を好きになった。


男相手にトキメクなんて、生まれて初めてだったから、
その気持ちを受け入れるまで、随分時間がかかってしまった。

一旦受け入れてしまうと堕ちていくのはあっという間で…。

もう自分一人の胸に閉まっておくのに耐えられなくなった俺は、
野球部一の世話焼きお人好し主将に、
募るこの想いを打ち明けた。

案の定、花井は協力すると言ってくれた。
大分混乱してる様だったけど。
無理もないよね…。
俺だって最初は混乱しちゃったし。
それでも引かずに真剣に受け止めてくれる所が、花井のいい所。
そして、俺が花井を尊敬する一因でもある。


実際のトコロ何を協力してもらえばいいのか、俺にも分からないけど、
花井は何かと頼りになるから心強いよ。
花井には迷惑かけちゃうかもだけど…。
ゴメンね、悩みのタネを増やしてしまって。
その代わり、花井が困った時は俺が全力で協力させてもらうからね。
大して力になれないかもしんないけど。



花井に相談したからといって、
花井にばっか頼ってちゃいけないから、
自分で行動起こすよう頑張ってみた。
積極的に水谷に話し掛けたし、集合や瞑想の時は出来るだけ隣を確保する様にした。

少しの時間でも、
僅かな瞬間でも、
水谷の傍にいたいから。
水谷の笑顔を見ていたいから。


その努力の成果か、水谷も自分から俺の近くに来てくれる様になった。
それだけでも、泣いて喜びたいほど嬉しい事なんだけど、
俺はそれで満足しちゃいけないんだ。
この想いを成就させる為には。
もっと、前へ……。



俺がこんなにも大胆に、積極的になれたのはきっと、
花井のおかげだね。

花井の後ろ楯って、すごい心強いんだぜ?
ホント、頼りになる男だよ、花井は。







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あきゅろす。
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