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◇hnmz
2.


家に帰っても、さっきの栄口の衝撃告白で頭がいっぱいだった。
ただの恋愛相談なんて浮かれてた自分が馬鹿みたいだ。
でも、まさか栄口の好きなヤツが男だなんて、しかも水谷だなんて、
誰も予想出来ないだろ〜?

そんな事を考えながらふと思い出す。
何日か前、7組で主将会議をしていた。
ここでの決定事項は、俺か阿部が9組に、栄口が3組に伝え、更に自分の1組に持って帰るようになっていた。

「悪いな、栄口。いつも7組に来てもらって…。
たまには1組でやるか?」

いつも1組から7組まではるばる来てくれる栄口を気遣い、そう提案してみた。
すると栄口は、
「大丈夫だよ、7組で。
だって二人共7組だし。
……それにね、7組来るの結構楽しみにしてるんだよ。」

と、いつもの様な笑顔で答える。
そして、入口付近で別のクラスメイトと喋ってた水谷に一声掛け、教室を出て行った。

その時は、栄口なりに気を遣って言ってくれたんだろうとしか思ってなかったけど、
今考えれば納得できる話。
きっと水谷に会うのが楽しみだったんだろう。
部活で毎日会えるのにな…。




栄口には他に言い様がなくて、
『協力する』って言っちゃったけど…、
実際どうすればいいんだろう。
周りには知られない様にしないといけないだろうし…。
見守る??程度でいいのか…?



あー…。駄目だ、分かんねぇ。

まぁ、あんまグダグダ考えてもしょうがねっか。
取り敢えず、今日は寝よう。
考え疲れた…。



まどろむ意識の中、
水谷の人懐っこそうな笑顔が浮かんできた。

栄口はきっと、
水谷のこの笑顔も好きなんだろうな…。


そんな事を思いながら、
俺は深い眠りへと落ちていった。







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