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☆abmz
思い知れ!(阿水)
よく晴れた日の屋上。

「お前、甘いモンよく食うな。」
俺の隣には、食後のデザートと言って甘いお菓子を頬張るコイビトが一人。

「だって好きなんだもん。」
すごく幸せそうに笑うから、
水谷の口に運ばれるお菓子に少しだけ嫉妬する。

「……俺より?」
「……ぷっ。何対抗心燃やしてんの?
比べる対照じゃないでしょ〜?」
ん?今、馬鹿にした?
コノヤロ、水谷のくせに生意気な。
そこは迷わず、俺って答えるとこだぞ。

「お前将来、糖尿病だな。」
はんっと鼻で笑い、言い放つ。
「えぇ〜、大丈夫だって〜。」
相変わらずの緩い笑顔。
「その自信はどっからくんだ…。
俺まで食事制限とか嫌だかんな。」
「はぁ〜、阿部って冷たいね〜。」
「ふん。心配してやるだけ優しいと思え。」
「………………。」

…聞いてんのか?何か考え始めた様子の水谷。

「……。」
「………………!」
何かひらめいたのか、口を大きく開けて俺を見てくる。
「……なんだよ。」
「…今、すごい事言ったよね?」
「…は?何?」
「『俺まで食事制限とか嫌』って…、
それって年取っても俺と一緒にいてくれるって事だよね!?
しかも一緒に住んでるっぽい言い方…。」

両手で口元を隠し、真っ赤な頬で瞳を潤ませ俺を見つめてくる。
…可愛いな、チクショウ。

「そうだよ。…だからあんま甘いモン食い過ぎんなよ?」
「……うんっ!」
元気に、嬉しそうに笑う水谷。
その笑顔が…いや、
その笑顔も好きだな〜と改めて思う。

「…やっぱ、甘いモンより俺のが好きだろ?」
「あは、まだ言ってるし。」

あ、またかわされた。
笑って誤魔化しやがって。
俺だって傷つくっつの。
しつこかろうが何だろうが、
何回でも聞いてやる。
お前が俺を選ぶまで。
そう簡単に諦めるかってーの!
俺の愛を思い知れ!!

スイッチの入った俺は、水谷の唇に噛みつく様にキスをする。
「…んっ、…ぁ…ふ、ん…。」
水谷の鼻から抜けた声に煽られ、更に絡める舌を深くする。
俺の舌にも、水谷の食べていた甘いお菓子の味が拡がる。
甘ぇ…。
こういう甘さならいつでも大歓迎だけど…。


「ん…、はぁ…。」
ようやく解放された唇から熱っぽい吐息が漏れる。
また…、コイツはエロい顔しやがって。
…って、そうさせたのは俺か。
何となく感じる優越感。

「どーよ?」
「…どうって?」
「俺の方が好きだろ?」
「…しつこ…。」

ぅわ、今の傷ついた。
確かにしつこかったかも知んないけど。
お前は酷いヤツだよ、水谷。
俺が拗ねた様に睨むと、
未だに頬を赤らめている水谷が、面倒くさそうに口を開く。

「…あー、もう!
だから最初から言ってんじゃん!!
阿部とじゃ比べモンになんないって!」

…は?いつそんな事仰いました?
最初は『比べる対照じゃない』って言ってたろ?
それじゃ意味、ちょっと違ってくるだろうが…。
そう反論してやろうと思ったら、

「俺の一番は阿部以外あり得ないんだから…。」

なんて可愛い事言うもんだから、
反抗する気持ちも失せてしまって、
『お馬鹿な水谷も可愛いもんだな。』
なんて痛い思考が俺の頭を支配する。


「…俺も。」
と呟き、恥ずかしさを隠すために空を見上げて、ふと思う。


思い知らされたのは、俺の方…?




END.

デレ阿部?
キモベすぎますね;
しつこすぎだし…
阿部イタイな〜と思いながら書いてました。
ごめんね、阿部…orz

そろそろエロや男前な阿部を書きたいな←出来るかな;


08.10.14

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あきゅろす。
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