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☆abmz
そんだけお前が大好きなんだよっ!(水阿水?)




その日は、委員会だったか担任に呼ばれてだったかで遅くなり、俺は遅れて部室へ向かった。
部室の鍵を開錠しドアを開けると、誰もいない筈の部室に人影が見えて、俺は柄にもなく「ぅおっ!」と驚いてしまった。薄暗い中目を凝らせば、狭い部屋の中央にちょこんと跪いて座る二つの頭。その二人を認識すると、俺の身体はドアノブに手をかけたまま固まった。



「………………え?」



そこには、自分の膝に両手を置いて行儀良く控えめに座る水谷と、正座こそしているが股を開き腕を組み見下すような目つきで俺を見る水谷がいた。



水谷が、二人………!?



あり得ねぇ、よな?
混乱する頭を必死に落ち着かせようとしていると、控えめな水谷が立ち上がり、俺の側まで歩み寄ってきた。



「そんな所つっ立ってないで、中でイイ事しよ?」



そんな事を言って、顎を引き上目遣いで微笑みながら、小首を傾げる。その上、俺の腕をぐいぐい引っ張るもんだから、俺は靴を脱いで、半ば強引に畳の上へと引っ張り上げられた。

何が何だか訳が分からなくて、周りの状況を把握すべくキョロキョロしてると、部屋のほぼ中央に座らされた。そして、俺の前には控えめな水谷が、後ろにはふてぶてしい水谷が俺を挟むようにして座った。
相手が恋人である筈の水谷だから、されるがままの状態だけど、これが知らない相手だったら非常に警戒すべき状況だろう。



「ね?……イイ事、しよ?」



先ほどのように上目遣いで俺を見つめながら、俺の首に腕を回してくる控えめな水谷。その可愛らしさに思わず息を飲む。



「イイ事………?」

「そ、こういう事……。」



控えめな水谷との距離がどんどん縮まって、あっという間に俺の唇と重なった。それから何度か俺の唇を啄むように、わざとリップ音を立てる水谷を俺は呆然と見つめるしか出来なかった。いつまでも反応のない俺を不思議そうに見つめると、ふっと妖艶に微笑む。すると呆けて開きっ放しだった俺の唇を割って、水谷の舌が入り込んできた。どアップで、閉じられた水谷の目を見つめながら忙しなく舌を絡められれば、いつもの感覚を身体が思い出す。その感覚が俺の思考と理性を低下させた。
更に、首に回した腕でぐいっと引き寄せてきたもんだから、俺は水谷を押し倒すように倒れた。水谷の背中が畳に着いた瞬間唇が離され、目下の水谷を見下ろすと、赤く上気した頬で目を潤ませ見上げられて俺の理性は音を立てて激しく崩れていった。水谷の艶めいた唇に今度は俺から噛り付く。



「ん、……はぁ…ん。」



深く絡み合った唇の隙間から水谷の甘い吐息が漏れ、それに煽られ俺は水谷のシャツの裾から手を滑り込ませる。


控えめな水谷との行為に夢中になっていると、後ろからずしりと重みがのしかかってきた。すっかり忘れていたが、ふてぶてしい水谷が俺の背中に顎を乗せている。なんとなく背中の感触で想像したが、わざわざ振り向いてまで控えめな水谷との行為を中断したくはなかった。
背中のふてぶてしい水谷をそのままに、控えめな水谷の胸に顔を埋めていると、ふてぶてしい水谷の手が俺の股ぐらを撫でてくる。



「ちょ、お前……!」

「いいじゃん減るもんじゃないし。一緒に楽しませてよ。」



振り返ってみれば、意外に近くにふてぶてしい水谷の顔があって、不敵に微笑んでいた。その表情が、先ほどの控えめな水谷とも違う妖艶さを具えていて、思わずドキッとした。そんな事を考えてる間に、手早くズボンの前を拡げられ中のモノを直接揉みしだかれた。



「あっ、………はぁ…っ!」



袋と竿の間をぐいっと押さえられ、その刺激は徐々に先端部へと上がっていく。一番敏感な部分に触れる前に手で包まれ上下に激しく扱かれる。

与えられる刺激に気を取られ過ぎて、控えめな水谷を攻める手が疎かになってしまっていた。



「…阿部ぇ、こっちも…して?」



今度は俺の下にいる控えめな水谷に手を取られ、自ら下着ごと下ろした彼のソレにあてがわれる。熱を持って硬くなったソレに触れれば、控えめな水谷が細やかな喘声を上げる。脳に響くその声も、俺の下半身に熱を集める。

俺が可愛らしい水谷のを、男前な水谷が俺と自分のを手に包んで扱き合う。



「あっ、あっ…!あ、べっ!」

「くぅ、…あ、あべっ!」

「んぅっ、……みず、たに!」



喘声が混ざり合って誰のかなんて聞き分ける事も出来ない。最後の方は誰が誰のを扱いてるのかさえ正直分からなくなっていた。だけど、誰のか分からない声も誰のか分からない熱い手も、全てが俺を興奮させる。




そして俺は熱を放った。
























「………で?そこで目が覚めたって訳?」

「………そう。」


「ニヤつくな!気持ち悪い!!バカ!変態!!」

「へ、変態はねぇだろ!変態はっ!!」


「変態だよ!大体、俺が二人いる時点で夢って気付けよ!」

「知るかよっ!訳分かんないうちにお前が迫って来たんじゃねぇか!」


「俺じゃねーし!もう阿部俺に近寄んなっ!!」

「あっ、おい!水谷っ!!」






結局その日、水谷は口を聞いてくれなかった……。





END.

727記念です(笑)
水阿水になってないけど、取り敢えず阿部を水谷でサンドしてみました←
最後だけ控えめな水谷を可愛らしい水谷に、ふてぶてしい水谷を男前な水谷に変えてみました。阿部の気持ちの変化という事で☆(笑)
夢オチなの、タイトルからなんとなく分かっちゃいました??^^;



09.07.27

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あきゅろす。
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