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☆abmz
イチャイチャしたいぃ!(阿水)


今日は、ミーティングだけの日。

いつもより早く終わったので、阿部が俺の家に遊びに来た。

こんな風に二人でゆっくり出来るのは久しぶりで、
阿部とイチャイチャ出来るもんだと思ってた。
だけど、それは俺だけだったみたいで…。


阿部はと言うと、俺のベッドに足を投げ出す様に座り、途中寄った本屋で購入した野球雑誌に夢中になっていた。
何度か名前を呼んでみても、『んー?』とか『おー。』とか気の無い返事。


つまんねー、と膝を抱え不貞腐れてる俺。
構って欲しさと、
日頃からかわれているお返しにと、ちょっとしたイタズラを思い付いた。


「ねー、阿部ぇ?」
「あー?」


「俺今日さぁ、栄口にキスされたんだー…。」


阿部を横目に見ながら、大したことではないかのように、何気なく口に出すと、
雑誌を読んでいた阿部の手がピタリと止まった。


ふふ、驚いてる。



それからゆっくりと顔を上げ、俺と視線がぶつかる。

すっげぇ驚いてます!って顔してる。


何だか気分いいかも。
俺をほったらかしてた罰だよ!


阿部の驚いた顔見れたし、
阿部がこっち見てくれたから、
満足した俺は、

「なんてねー、冗談!」

と、笑い飛ばした。

阿部の事だから怒鳴ってくるんだろうなー、なんて思ってたのに、
視線の先の阿部は無表情のまま俺を見ていた。



え…?
何?この空気……??


パタンと読んでいた雑誌を閉じると、
俯いて、はぁ、と阿部が重々しいため息をつく。



「…何?俺に嫉妬でもさせたかった?」
「へ……?いや、…。」


阿部の目が怖い…。
も…もしかして、怒った…??


「だからって、普通そんな嘘つくか?」
「ご、ごめっ……。」


ただならぬ状況に焦って謝ろうとしたら、



「別れようぜ…。」



事態は更に悪化した。


え…?

何で??

俺があんな嘘ついたから!?

だったら、謝るからっ!!

ねぇ阿部…?
俺は別れたくないよ……。


心では必死に抵抗するのに、
一つも言葉にならなくて、
阿部に訴えるような目で見つめた。























「……嘘だよ。」


「……………へっ?」





嘘……?




「お前があんな嘘つくからだろ。仕返しだよ。」
「えっ…、じゃあ…別れる気は…?」


「ねぇよ!」
「…………よ、よかったぁ〜。」



安心したと同時に涙が溢れてきた。
だって、ホント焦ったんだもん!


「ば、ばか!ちょっと考えれば分かるだろ!?普通あんな理不尽な理由で『別れる』なんて言うかよ!?」
「だってぇ、あべっ、…すげ…怖く、て…。」


嗚咽を洩らしては、溢れ出る涙を拭いながら、
俺はフラフラと阿部に歩み寄り、正面から阿部の足を跨ぐようにして座り抱きついた。


「な、泣くなよ。」
「だって…、安心したら涙が…。」


ぎゅっと更に強く抱きついたら、困った顔の阿部が背中と頭を優しく撫でてくれる。


「…ごめんな?」
「ん、…嘘でよかった。」


「お前のも、嘘でよかった…。」
「うん…。俺も、ごめん。」


「もう、あんな嘘つくなよ?」
「じゃあ阿部もちゃんと俺に構ってよ?元はと言えば、阿部が俺をほったらかしにするからじゃん!久しぶりに二人きりになれたからイチャイチャしたかったのに!!」



「……へぇー。イチャイチャ、したかったのか…?」
「……え、?」


さっきまで優しく笑っていた阿部の顔が、
いつもの『ニヤリ』という効果音が似合いそうな笑みを浮かべる。


「じゃ、イチャイチャしよーぜ。」
「へっ…??…ぉわっ!!」


抱き合った状態のままベッドに押し倒される。
な、何??何かスイッチ入った!?
このまま流されるのも、阿部の掌で踊らされてるみたいで癪なので、


「いーやー!もうそんな気分じゃないしっ!!」


寄ってくる阿部の顔を力一杯押し返した。


「ふーん…いいのかよ?今日逃したらしばらく『イチャイチャ』出来ねぇぞ?」
「……うっ…。」


押し返した腕を掴まれ言葉に詰まった。
そうなんだよな……さっき自分でもそう言ったし…。


そうなんだよ………。















「…阿部、エロオヤジみたい。」


押し返した腕を阿部の首に回した俺は、
若さ故の甘い誘惑に結局流されてしまいました。




だってしょうがないじゃん!?

俺、
阿部大好きだもん!




END.


水谷をなぐさめる阿部が書きたかったんですが…
なんかグダグタに…(__;)


09.01.22

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