[携帯モード] [URL送信]

☆abmz
世界のすべて3

「…うん……。」

ゆっくりとリボンを解き、包装紙を開き、箱を開ける。


「指輪……。」
「…うん。」


指輪に釘付けになっていた視線を俺に向け、

「こ、…これって……。」

水谷は泣きそうな顔をした。



「おぉ。
結婚…って訳にはいかねぇけど、これからもずっと一緒にいてくれるか?」

水谷の目を真っ直ぐ見て言った。
さっき緊張してたのが嘘みたいに、今は冷静だった。


俺の言葉を聞いた水谷の目に、みるみる涙が溜まっては溢れ落ちる。

「…う…うれ、しい……。…けどっ……。」

水谷はそう言うと俯いてしまった。


水谷との付き合いは長い。
今コイツが何考えてんのか分かってる。
俺もずっと同じ事悩んだから…。




「水谷…。俺も悩んだよ。散々、考えた。
悩みに悩んで、考えに考えて…それで出した答えなんだ。
そこら辺の女好きになれれば、どんなに楽だったか…何度も思ったよ。
だけどどんなに喧嘩しても、どんなに振り回されても、俺はお前が好きなんだよ。
お前だけなんだよ!
……だから、
俺の将来とか、家族の事を理由で断るのはやめてくれ。
俺にはお前との未来以外いらねぇから…。」



「っ、…ぅっ…う、」


終には嗚咽を洩らして泣き出した水谷。
食べてる途中だったデザートのアイスは、溶けてドロドロになっていた。
ナプキンも、水谷の涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃになっていた。




少し落ち着いたのか水谷が、

「…なら、断る理由、ないじゃん…!」

と真っ赤な目元の涙を一生懸命拭いながら言った。


その言葉に俺は、水谷の前に置いてあった指輪を手に取ると、

「手、出して?」

と、左手を出すように催促した。
おずおずと伸ばしてくる水谷の手を取り、薬指に指輪をはめた。

すると水谷の目から、また涙が溢れ出した。
そんな姿を微笑みながら見ていると水谷が、

「じゃあ阿部も、俺を巻き込んだとか絶対思わないでね!
俺は自らの意思で、阿部と一緒にいることを選んだんだから!分かった!?」

怖くもねぇ目で睨んでは、笑った。


「おう!」






この先何があっても、お前を離したりしない。


今日のこの日を忘れない。


今日のこの想いを忘れたりしない。





何年経っても、

いくつになってもきっと、

お前は俺の世界のすべて…。



END.



書いちゃいました(*/ω\*)
意外に好評だったみたいで(笑)
後半雑な感じがするのは気のせい…?←

このシリーズは終わりますが、社会人パラレルはまた書くかも…
もっと文章力あげなきゃ…;





08.12.13

[*前へ][次へ#]

16/28ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!